【書評】メールの書き方本の決定版!基礎から中上級レベルまで網羅されています〜「仕事が速い人はどんなメールを書いているのか」(平野友朗著)

一昔前、仕事における連絡手段は口頭はもちろんですが、遠隔にいる者への連絡は、固定電話とファックスでした。

それが、テクノロジーの発展により、遠隔の連絡として、携帯電話とメールの連絡が主になり、会議についてもビデオ会議の開催により、遠隔にいることによる不便が感じにくい時代になりました。

これらの早い連絡手段によりビジネスのスピードが格段に上がり、人々にも更なるスピードが要求されるようになりました。

加えて、携帯電話やメールという技術は時間を問わない連絡手段で、仕事とプライベートの境目が曖昧になる助長をするテクノロジーであるともいえます。

そのため、これらの技術が人間を幸せにしているかは分かりません。

ただ、だからこそ我々はしっかりと「緩急」をつけることを意識することが必要となっており、「緩」の時間を確保するためにも、急のスキルの中で、「メールを素早く捌く技術」は必ず必要な技術となってきています。

はじめに

前置きが長くなりましたが、この本ではメールというスキルを最大限有効活用する「考え方」と「具体的手法」が書かれています。

著者によれば、優れたメールを書く達人とやりとりしていると、みな驚くほどメールの処理が速いようで、彼らはメールだけでなく、他の仕事も素早くこなしているとのことです。これは別に著者が記載するまでもなく、感覚的には皆が分かっていることだと思います。

だからタイトルにも「仕事が速い人」という言葉を含んでいて、できる人の考え方を紹介する形を取られています。

ここでは、「考え方」と「具体的手法」についてそれぞれ紹介していきます。

仕事が速い人のメール発想①

メールに関する考え方がまず紹介されています。発想は4つあり、「主導権を握る」「無駄なことを排除する」「優先順位をつけない」「相手の思考を先まわりして考える」となっています。

なるほど、、と膝を打ったのは「主導権を握る」です。

「主導権を握るとは、…自分から積極的にコミュニケーションをとり、仕事が先に進むように先手を打っていく、ということ。」(22ページ)

このように本書では定義づけられています。仕事を先に進めること、積極的にコミュニケーションを取るための手段がメールなのです。

これを読んで振り返ると、自分は受動的なコミュニケーションをやや取っていたことを反省しました。

「〇〇やっておいて」と指令があり、それにメールで返信する。更に質問が来たりした場合はそれに対応する。

これが私がよく取ってきたメールですが、そうではなく、積極的に使うものというのが正解でした。

具体論は本の中に紹介がありますが、本書の一環した幹となる考え方がこの考えになります。

そうすれば自分でメールをチェックするタイミングをコントロールし、時間を奪われるから、時間を創り出すメールになっていくのです。

仕事が速い人のメール発想②

発想①と類似しますが、

「相手が知りたいこと・興味があることは何か、先まわりして考える。これも仕事が速い人の特徴のひとつです。」(30-31ページ)

とあります。

起こりうるであろう質問を先まわりすることで、相手にメールを読ませること、相手に返信させること、メールの往復を減らす効果もあります。

まずは、主導権を握ること。そして、メールをするにあたっては先まわりをすること。

これは飲み会の幹事からの案内メールを見ると分かりやすいかもしれません。

場所はどこか、時間の始まりはどこかはもちろんですが、そこ以降について必要な情報をしっかり盛り込んでおり、不要な情報がないことが大切です。

例えば、「誰が挨拶するの?」「会費はいくら?」「参加メンバー教えて」などは、質問が生じ、無駄なやりとりの往復が内容に事前に示すこと。

また、メールは流し目で見られるものなので、情報は箇条書きにすること。

こうした具体に繋がる考え方が、この先まわりして考えるです。

具体的な手法

ここまで考え方を紹介してきましたが、こうした考え方を軸に起きつつ、具体的なノウハウが書かれています。

「そんなの当たり前でしょ。。」と思うところもなくはないですが、この本は結構網羅的に書かれているので、誰もが見直すところに直面するのではないでしょうか。

以下、3点紹介します。

約束し、必ず守ること

ビジネスにおいても、結局は人と人とのコミュニケーションなので、相手と信頼関係を築くことが大切です。

だからこそ、約束を守ることが信頼に繋がります。

これをメール術にも生かしています。

「約束を守る姿勢を相手に見せるために、

「では、この件は〇日までの宿題とさせていただきます」

…と、約束をつくり、それを必ず守る。自分から期限付きの仕事をつくっておいて自分で守るのです…ビジネスではその姿勢が評価されます。」(60-61ページ)

と紹介されています。自分から約束をつくり、それを守るということは、することもありましたが、それは自分のサボり防止で、相手方の信頼醸成にも繋がることは全く意識していませんでした。

「戻って〇日までに返信します」

などとまずは返すこと。それはハードル低くできることです。

そして、実際にやることで信頼にも繋がる。いい方法だな、と学びました。

一文は短く

これはまぁ当たり前ではあります。

ただ、自分にとって大きな発見となったのは、その次の分の記載でした。

「仕事が速い人のメールは、一文が短く、一読して理解しやすいことがわかります。ときには、それが素っ気ない印象を与えるかもしれませんが、まず優先するのは、速やかに誤解なく伝えること。」(89ページ)

実は、「自分のメールは素っ気なくないか」と思うこともあり、これでいいのかなぁ、、と内々思っていました。

しかし、まず優先すべきことであるから、素っ気なくても構わない、というメッセージを受け取りました。

自分のメールの仕方はあながち間違いではなかったのかな、と確認できた一文でした。

なお、もちろん本書には相手を思いやった文章も大切であることもしっかりと述べられておりますので念のため。

件名、リマインドについて

自分のメールを反省したのがこの件名、リマインドの項です。

「【重要】【至急】…これらの言葉が目にとまることによって開封の優先順位が上がったとしても、送り手の都合を押し付けていると思われれば、印象は非常に悪くなります。」(106ページ)

「件名に【至急】と書いてあると、…コントロールされているようで気分が悪いと思われることもある」(107ページ)

とあります。私は【】を使いたい派なのでやり過ぎはよくないんだなぁ、と反省しました。

「基本的に本文で伝え、場合によっては電話(声)をかけるなどしてフォローする。」(107ページ)

がよい方法であるようです。

リマインドも同様に催促のニュアンスを弱めるように配慮が重要です。

細かいところになってきましたが、メールは顔の見えないコミュニケーションなので、非常に重要な示唆でした。

おわりに

この本は何より構成が分かりやすいです。考え方から具体的なノウハウへ。

メールの本というと、「結局文章の考え方本になっているもの」か、「言っていることが抽象的過ぎて自分に生かせないもの」が多いと思います。

しかし、本書は考え方からノウハウまで書かれています。その意味で、メールの書き方の決定版の本、と言ってもいいのではないでしょうか。

今回読んだ本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲