書評 『チームのことだけ、考えた。〜サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか』(青野慶久著作)

いわゆる「働き方改革」をしている企業としてしばしば出てくるサイボウズ。そもそもどういう事業をしているか知らない状態から読み始めたが、企業の中身から丁寧な説明が書かれている。

なにより、今に至るまでに青野社長が苦労し、書籍等知見を得つつ、今の方針に至った過程が詳細に記載されている。その過程が実に人間的でよい。

というのも、こうした本は、苦労は特に書かれず、今の業績のみを記載し、凄いことのみを強調するものも多いからだ。そういう本は、読んでも実績は凄いんだなぁ、となるか、学びはあまり得られないが、この本はそうした類とは異なる。

なお、当初は仕事人間だった著者が、色々と学びを得て、考えを変えるところも非常に興味深いおもしろさ(funnyでなくinteresting の方)があった。

また、青野社長は厳格で論理的な考えの持ち主のようで、言葉を定義立てて使っている。必ずしも正しくない、、という反論も起こるとは思うが、議論をはっきりさせるという意味で定義立てて考える上で、考え方がかなり参考になった。

以下、各論の感想へ。

○松下幸之助より学びを得る。「本気になって真剣に志を立てよう。強い志があれば事は半ば達せられたといってよい」

→うまくいかなかったら死ぬ思いで、というところで必死さが分かる。勝負できるところに絞って命をかける。頑張るではない。

○人間は理想に向かって行動する。

○自立とは、人のせいにしないこと。変わらないかもしれないが、質問することから逃げないこと。

○公明正大、自立。嘘をつかないことと、人のせいにしないことを重視。

→両方とも大切だが、当たり前となり取りこぼしがちなところ。

○事実と解釈の違いをはっきりさせる。事実を確認する習慣を身につけることが重要。

○議論の場では、事実だけが正しい。

○事実を並べていくと、問題のサイズ、範囲が共通認識にできる。

○解釈は個性の表現。ファクトをどう解釈するかで、その後の行動は大きく変わる。行動が変われば未来が変わる。

→解釈って重要?と少し思っていた節があったので、個人的には大きな気づきになった。

○定量化は大事だが、社会的な事象のなかで真に意味のあるものは定量化になじまない、ことをしっかり認識する必要がある。

○コンセプトとは、誰に何を言わせるか。

○人は自分のモチベーションの構造を理解することで、やりたいことを増やせる。自分を客観的に分析し、自分の目の前に人参をぶら下げられるようになると、自分を操る能力が高まる。

→モチベーションなんてない論者であったが、そのように分析があると、モチベーションと解釈できる。

○共感して貰える制度を作るには、制度に絡ませることが大事。オープンにすると、いろいろな人からあれこれ言われて面倒だと思うが、後出しジャンケンで言われる方がコストもリスクも高くなるので、結果としてオープンの方がよい。

→難しいな、、と思うところだが、実際振り返るとそうだな、と思う点だろうと思うので、先出しで気づかせて頂けた。

○制度を作ったら、リーダーはまずチャレンジする。

○変え続ける文化を作る。ひとは、リスクをコントロールできると思えば、意外と大胆になれる。

→大企業では特に難しいところ。

【気づき】

○ニーズがあると、人は変わる。危機感を持つことか大切。チャレンジが大事。青野社長も前半たくさんエラーをしている。

○自己分析が大切。自分の強み、弱みを理解する。

○制度作成の時は、事前に関係者を巻き込んでおくこと。面倒は先取りする。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新の情報をお届けします