書評「断る力」(勝間和代著)

「カツマー」と呼ばれるファン層がいる勝間さん。どうもブログとか勝間塾とかが有名であるようだ、というのを恥ずかしいながら最近知りました。




勝間さんは、私の中ではメディアに積極的に出ていた頃の印象が強いです。正直、あまり良い印象は受けていなく、コメンテーター的に色々と語っていらっしゃるなぁ、と「経済アナリスト」的な肩書きで出ていて、なんか胡散臭さのようなものを感じたのを覚えています。

そもそもコメンテーターという職業自体、「言うは易し、行うは難し」で、色々コメントされ、特に批判的なコメントが多いのですが、対案を出さないで「これはダメ」と断言口調で言われるので、それはどうなのかな、としばらく前は思っていたものです。

もっとも、最近はあまりテレビを見ていませんので、状況は変わっているのかもしれませんので念のため付言致します。

さて、話が逸れましたが、最近ではLGBTの活動も目立つ勝間さん。そんな勝間さんの「断る力」を読みました。

総じて、「他の本に書いてある情報を自分に取り入れるよう解釈を加え、自分なりの理解として腑に落として、そこから述べておられるな」と感じさせる本です。

しっかり、勝間さん自身の経験に照らして考え、経験上も正しいことを自分に取り入れようとされています。

このようなある種思考のプロセスも公開しながら述べていく著書は珍しいのではないでしょうか。過去の著書を如何に自分に取り込むか、というやり方について、かなり参考になるやり方でした。

とはいえ、この本は、具体的な行動まで落とし込んではいないので、「後は自分で考えて」というメッセージにも捉えられます。この本を通じて、考えを深めていって、自分で考える人間になろう、というのが、本書で一貫して述べられていることだと感じました。

さて、ここから個別の内容についても触れていきます。

○フィードバックについて

これは本書の中心の主張からは少し外れているのですが、一番参考になったところなので、最初に取り上げます。

「インプットとアウトプットと同時にフィードバックが大事である。そしてフィードバックを受けて次のインプットとアウトプットの質を上げることが重要である。」

ということは前に触れた、「アウトプット大全」などにも記載がありました。

しかし、

フィードバックって何だ?どうフィードバックを受ければよいか?全部丸々受ける訳にはいかないのではないか?

など、フィードバックについて、具体的にどうすればいいか腑に落ちていない自分がいました。

この本では、フィードバックについて、かなり詳しく触れられています。

まず、

「私たち自身が自分の「コーチ」をする以外の選択肢は、実質的には存在しない」

なぜなら、

「他人が私たちに言ってくれることは、ノイズ混じりで、適当で、無責任」

という記載があり、ともすれば忘れがちなフィードバックを受けるに際して必要な前提を教えてくれます。

確かに、フィードバックを受けるのは大切なのですが、全て正しいことを言っている訳ではないので、大いに参考にはしますが、最後は自分が評価・反省するということです。

こう考えると、日記を書くのが大事であること、週次・月次レビューが大切であることも、最後は自分が評価するんだ、ということから考えて必須の行動であることが、自分の中ではしっかりと理解できました。

しかし、ここまで考えると、「だったら他人から評価を貰わず、自省だけしっかりすればいいのでは?」という思いが少し湧きました。

この本にはこの疑問にもしっかり回答しており、

「とにかく、私たちは弱い生物なので、少しうまくいってくると、それが運が実力なのか区別がつかないまま、自分の力を過信し、これでいいのではないか、と革新を止めてしま」う。

とあります。

謙虚になることの大切さもここで分かります。客観的に自分を分析するのはそれだけ難しいということが分かります。

その上で、具体的なフィードバックの方法についても言及があります。

①上司や友人、身近な人から忌憚のない意見を聞く

②客観テストを用いる

③職場の人事評価の機会をくまなく使うこと

④転職エージェントなどプロの利用

⑤仕事上の関係者から評価を聞く

とのことです。具体的に書いてあるため、大変参考になりました。

努力は時間量と相関関係がありますが、漫然と努力しても軌道修正を計らないと間違った方向に進んでしまう可能性があります。

そうした可能性を排すためにも、人からの意見も参考として取っていこうと思います。とはいえ、最後は自分というのはずっと持っておくべき想いであることを知りました。




なお、関連で、上司のところで、

「上司は思いつきでものを言う」

という記載があり、衝撃的でしたが、確かにそうなのです。案件については部下の方が詳しいので、上司は多くはクリティカルな指摘はできない。

だから部下は会話をして、上司の経験を引き出して参考にすることが重要、という話に本書は繋げていますが、何となくそうだろうなぁ、と思っていたことを言語化してくれたので、胸のつっかえが取れたような感覚になりました。

ここからは、簡単にその他心に残ったことを述べていきます。

○人は仕事を任せられた分だけ成長する

→任せられることの大切さを認識した。かつ、やっぱりやらないと成長しないことを認識した。

○リスクを取ること

→大きなリスクを取らないと、大きなリターンもない。色々挑戦しないと、大きな成長はない。ということでチャレンジしまくろう。

○環境の大切さ

→環境は大切だ、というが、本書ではそこに規定される部分は思ったよりも多いことを主張している。大切さは分かるが、気にしないと本当に易きに流れてしまうので、意識する大切さを再認識した。

○ランクコンシャスへの対応

→「これは仕方ないから、こちらもある程度ランクがないとダメ」というのが本書の主張。ランクなんて、、と思うときもあったのですが、ランクコンシャスが結構世の中にはいるので戦うための盾が必要だ、と認識した。

○断らないメリットから言える、考えることの重要性

→断らないメリットは、「考えなくてもいいから楽である」こと。だからこそ、自立した人間として考えることを主張している。本書においては重要なメッセージ。

この本で記載されていることは、あまり科学的データは記載されていないこともあり、必ずしも正しくないのでは、という箇所もありました。

それでも、著者が考えながら自分の意見として昇華した文章を読み、そこから自分で考えることの重要性を主張されるので、自分もしっかり考えて生きていこう、と考えさせられました。

また、勝間さんの書評とかを書いて、というのは実に自分にとって参考になる先人だな、と思いました。

ありがとうございました。




この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲