本を読むことで、知見を得られるし、「新しくやろう」という気になることもある。
ただ、いわゆる「ノウハウ」を書いた本には注意が必要であると感じている。実際に、色々本を読んでも、なかなか導入するのが難しいのだ。
何回も導入しようとしては面倒くさくなってを繰り返していくうちに、著者と読者の目線が違うことに起因していると理解してきた。
統計と経験
ノウハウ本の書き方には、「統計型」と「経験型」があるように感じる。
統計型は、例えば論文などを引用することで、根拠を示しながら進める論理展開である。これにより、一冊の本に多くの「ノウハウ」が埋め込まれており、網羅的になるため、誰が読んでもどこかには引っかかる。ただ、個人的にはどうしても「やってないことを推奨されてもなあ…」と感じてしまう。理想論は素晴らしいとは思いつつ、あまりに現実と離れているように感じるのだ。
他方、経験は、個人の経験を綴った上で、そこから「オススメ」を導き出す方法である。もちろん著者にもよるが、こちらの方が共感は導きやすい。しかし、著者との実力の差を感じて、かえって嫌になることもある。また、「オススメの方法」が自分に合うかどうかは全く未知数でもある。
個人的には、統計型に刺激を受けることもあるものの、行動に繋げやすいのは経験型であると感じている。
読者と著者の目線が違う
しかし、経験型の方が共感による行動のしやすさはあるが、注意したい点がある。
それは、ノウハウ本を書いている技術のある側の著者と、本当の素人の読者とは目線が違うということである。
しばしば、初心者では難しすぎることをお勧めしてくるのだ。
最適な道を考えようとしてしまう
実際、それが何故起きるのかを考えると、どうしても、初心者段階をとうの昔に終え、ある程度実力が付いてから本を書いているので、振り返りながら本を書いているということが大きいと感じている。
著者の初心者段階で失敗したと思ったことを書き、そこから新しい提案に運んでいくのだ。しかし、実際は、しばしばその「初心者向けノウハウ」をやろうとすると注意点が多すぎて導入するのが面倒に感じてしまうのだ。
本に書いてあることを著者の目線になって捉え、よりシンプルに改変していくことが必要である。
本が安すぎる問題
よく考えると、本ほど安い買い物はないような気がする。
著者が何時間もかけて書いた内容を、高くとも数千円で軽々読んでいるのだ。実際は、もっと味わうようにして読み、ノウハウ書であれば、本を片手に、時に指導も貰いながら、半年くらいは集中して、その後もブラッシュアップして身につけるようなことが書いてあることが多いのだ。
その点でいえば、1つの本を徹底して極めることは非常に重要であるといえる。