私は、リスクを即考える思考傾向がある。そのため、精神的にマイナスの方向に振れやすいと考えており、その点で好意的に解釈するとか、自信を持つことが大事になってくる。
しかし、新しいことに取りかかると、必ず数回は壁にぶち当たる。英語学習も歌も文章執筆も話し方も、これまで鍛えてきたスキルでも必ず壁があり、その度に断念しそうになった。
とはいえ、よく考え直すと、パターンは同じなのではないかと感じてきたので、まとめてみることにした。
自分への過剰な期待
物事を習得しようとしたときに、最初に訪れるのが、自分への過剰な期待である。
冷静に考えれば経験が少ないことについては出来ないのが当たり前なのに、何故だか分からないが、できるように勘違いをしてしまうのだ。
やったことないのだからやったことある人よりは苦手なはずなのに、何故か「平均よりは上」という思考がある。
ここは、そう思ってしまうのは仕方ないので、「とりあえずやってみる」精神を持ってやってみた方が良さそうだ。
試行錯誤
そして、初めてやってみる。初体験のときの感想はモノによって違うが、少しでも興味があれば、しばらくやってみると、楽しくなってくる。
何が楽しいかといえば、「成長感」である。色々なことを知り、できることが明らかに増えるので、それは楽しいと思う。
とりあえず色々なことに着手してみて、楽しさを開発している。
絶望
ただ、いつまでも楽しいという訳にはいかない。
試行錯誤をしているだけでやった分がそのまま実力に繋がれば気分良く行くのだが、そう上手くは出来ていないのだ。
自分の実力のなさが分かってしまうのだ。キッカケとなることは色々あり、勉強系であればテスト、歌・声系であれば録音した声を自分で聞いたときのようなイメージだ。
自分に対して嫌悪感が生じる瞬間に直面するのだ。毎回のこととはいえ慣れることはまだなく、最近はないが、昔は「自分なんて生きている価値がない…」というところまで気持ちが振れてしまっていた。
このときに、上級者のパフォーマンスを見て、そのギャップを知るのだ。そして、その新しく認識したギャップは、最初の自分への過剰な期待ゲージの分、大きくなる。
ここは挫折ポイントの1つである。しかし、ここで糸口を探すと、次のステージが見えてくる。粘り力もポイントになりそうだ。
真の試行錯誤
この絶望の脱出の契機はどこにあるかと考えてみると、いわゆるPDCAサイクルの、CとAの観点を入れるということが大きい。
これまでは、とりあえず良いと言われている行動をやろうと思い、やってみただけで良かった。
しかし、一旦絶望期に自分の実力が高くなかったことを自覚し、そこから前に進もうとすると、上級者との「差」をどうやって埋めようか、と考え始めるのだ。
そのため、行動を改善しようという動きが起こり、行動の確認や分析や、行動の改善に努めるようになってくるのだ。
そうすることで、楽しいポイントが見つかってくる。
謙虚
この「絶望」と「試行錯誤」は交互に繰り返される。ただ、1度目よりも深い絶望感は2度目にはない。「何回来るんだ」という辛さはあるが、深い精神的ダメージを負う訳ではない。
そして、分析をして改善に努めていくのを繰り返していくことで、自分の実力が客観視できるようになってくる。
そうすると、実は「上級者」と思っていた人の中にもかなり差があることが分かるし、まだまだ上には上がいることも分かってくるのだ。
そして、段々と謙虚になってくるのだ。
もちろん、表では自信家として振舞っている人もいる。しかし、心の奥では謙虚だし、そうした人たちも深く話してみると、実は冷静な目で自分を捉えているようだったということを何度か話す経験を得る中で知った。