【映画評】「コンフィデンスマンjp プリンセス編」を見て〜古沢さんの世界観に魅了〜

先日、映画「コンフィデンスマンjp プリンセス編」を観に行った。

映画を最近見ていなかったが非常に面白い作品だったので、感想を述べていきたい。

古沢良太さん脚本作品

本作の脚本は、古沢良太さんということもあり、関心を持っていた。

「リーガル・ハイ」が好きだったといことが大きい。法曹という硬い業界を扱いながら、こんなにも面白く、かつメッセージ性がある形で扱わていることに感動した。結構影響を受けていて、主役の小御門弁護士の早口を真似たからか早口になったと思うし、法曹に興味を持っていたことがあった。

そして、古沢さん作品としては、最初を伏線を引く部分ではコメディ要素を強く出し、しっかり伏線を配置しながらも、見る人を飽きさせないようにしつつ、後半に行くに従ってストーリー・メッセージ要素を強め、印象に残すようにしているように感じる。

実際、後半に行くに従ってコメデイ要素が少なくなっているのだが、そこでもちょくちょくは入れているので、笑いもありながら心も動かされる作品となっている。

私個人としてはずっと堅苦しい感じだと、元々のストーリーへの共感等がない限りずっと見ているのがキツイな、と思ってしまう。息苦しさを感じてしまうのだ。

この点、バランス良く要素が散りばめられていて凄いな、と思っていた。

現実と虚構の織り交ぜ

古沢良太さん脚本作品の魅力として、完全にフィクションで、登場人物のキャラが濃く、ストーリーもありえないことなのに、見終わった後は本当に起きたことのように思える点がある。

リーガルハイでも本作でも、明らかに登場人物・ストーリーは虚構の世界の話である。しかし、現実に起こる問題を上手く織り交ぜていることから、現実にもあり得ると感じてくる。

そうなると、現実にはいないし、キャラの際立った登場人物が本当に現実にいるかのように感じ、より魅力的に感じてくる。

脚本時点では、それを言葉のみで表現していることになるのだが、そう考えると、その表現力が羨ましいし、凄いと感じる。

本作のテーマ

本作は、結論からいえば、詐欺師集団である主人公たちが出会った少女の成功物語になっている。

少女は、何を言われても頷くことしかしないことから、「コックリ」と言われていた。しかし、主人公たちが富豪の財産を狙っている中で、最終的には嘘から出た誠になり、少女は富豪の跡継ぎになってしまうのだ。

よく考えれば、本作は結局詐欺をしていないので、割と主人公たちは「いい人」で終わっている。

それでストーリーラインを構成しつつ、「人の成長」に焦点を当てることで感動を導くのだ。

成長

本作での成長の描き方が興味深かった。

長澤まさみさんが演じる主人公は跡継ぎ候補とすべく送り込んだ少女の母親を演じるのだが、主人公が苦痛としか思わなかった教養の習得の場面で、少女は嬉々として学んでいくのだ。

そして、最初は頷くしかしなかった少女も、独自行動を取りはじめ、自分の意思を持ち始めるのだ。

その上で、包み込むような優しさで、人の心を解放する才に目覚めていくのだ。母親の庇護は不要になり、自分の力で独立していく様子が描かれている。

得意なところを伸ばし、自分に合ったことをやることの大切さも教えてくれるし、何より本作の中心として描かれている少女の成長の様子は、胸に来るものがある。

希望

本作を見ると、感動と希望が与えられる。

感動という意味では、「少女の成長」「(実ではないが)母と子の別れ」のシーンでは実の親子でないのに、そんな血の繋がりなど関係ないことを教えてくれる。

成長するのは自分の意思である。しかし、環境も大事であり、その機会が来たときに、それを掴み取ることの大切さを教えてくれる。

そして、映画の最初に出てくるメッセージにあるように、それは実は偽物であろうが関係ない。嘘であれば解釈で本物であるかのようにしてしまえばいいのだ。

主人公たちが詐欺師集団であるからこそ、コントラストが効いていて面白い。

舞台背景

本作では、何がなんだかよく分からず、問題が解決する。正直ここまでだと、なんだかんだで上手く行ったようなだけで、イマイチ心が動かない。

しかし、そこから時を戻して角度を変える形でタネ明かしをする。そのタネの部分が、一気に明かされるというのが面白い。

ストーリーの部分は、後半に一気にたたみかけるのだ。面白いなあ、と思った。

主演者から考えさせられること

本作は、新型コロナウイルスの影響のみならず、東出さんや三浦さんなどのキャスト側にも色々なことが起きながらの映画公開となった。

私自身、週刊誌を読んで詳細まで見た訳ではないが、情報は入ってきてしまう。そうすると、役ではなく、俳優その人を見てしまうものだ。

また、逆もあって、あまりに1つの作品が人気になってしまうと、役が俳優その人とイコールになってしまうこともある。それが悪役であれば、俳優本人に怖かったり近寄り難く思われてしまうこともある。

印象は簡単に左右されてしまう。自分はどう思っているのか、周りの空気に何となく合わせるのではなく、自分がしっかり感じたことを大切にしたいと思った。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲