「進撃の巨人」。
有名作品ですが、あまりストーリーラインを追っている訳ではありませんでした。しかし、人気である作品を知ることは大切で、そこには人を惹きつける魅力があるということである。
そしてやはり面白い作品であった。
中田敦彦氏解説
先日、オリエンタルラジオの中田さんのYoutube動画で、「進撃の巨人」が解説されているのを見た。
同氏のチャンネルは、1本40〜60分と長編モノが多いので、頻繁に見ている訳ではないのだが、「進撃の巨人」はアニメ・漫画で断片的には見ていたものの、ここ数年は追いかけていなかったので気になりました。
動画としては、捨象の仕方が程よいと感じました。時折その捨象の仕方の恣意性を感じることはなくもないですが、ストーリーラインを少し知っているレベルであれば、かなり理解度を高めることができると感じました。
最近の漫画を見ている訳ではないですが、ストーリーラインを追うことができました。
世界観の面白さ
動画を見て、気がついたらストーリーが複雑化していたことが分かってきたのですが、「進撃の巨人」の面白さはその世界観にあると思いました。
とにかくどんでん返しがすごいのです。最初の「巨人が侵略してきて壁が構築された」という設定すらのちに覆されるものであるとは想像もできませんでした。
正義の衝突
「進撃の巨人」のストーリーの面白さは、ある種哲学的でもある点にあると感じました。
一見、バトル作品に思えるのですが、その本質は「正義の衝突」にあるのです。主な登場人物にはそれぞれの正義があるのです。
そして、みんなある意味で正しく、ある意味で間違っているのです。それぞれの背景が異なっているので、考え方が変わるのですが、「全く理解できない」という考え方を取る人物はいないのです。
だからこそ、ストーリーの王道である「勧善懲悪」ではない点がこの作品の魅力です。
さらに、現実と類似している点として、登場人物の考え方が変遷するという点があります。新しい情報を知るにつけ、考え方がシフトしていくのです。
非常に考えさせられる作品です。
多様なニーズを満たす
そんな哲学的な面もありながら、人気を博すのは凄いことだな、と感じました。
これこそ、現代のニーズを上手く捉えつつ、作者が書きたいことを上手く融合した漫画だな、と感じた。
現代人はニーズが多様化しているが、それに見事に対応しているのだ。
まずは、ストーリーラインの大枠としては、ストーリーの起伏が大事であるが、その面はしっかり抑えている。どんでん返しの繰り返しであり、土台すらひっくり返すダイナミックさがある。
次に、巨人なんてありえないと一見思うのだが、リアリティさがあること。巨人はあくまで強大な力の比喩とさえ捉えれば、全くもってあり得る衝突内容だと感じている。
また、ファンになる程、細かい描写が気になってくるが、その面で、本作はサイドストーリーとして、主役以外の登場人物の考え方なども理解している。
その上で、バトルシーンは丁寧に描かれており、躍動感があり、それを見るだけでも面白いのだ。
何重にも敷かれた人を夢中にされる要素を詰め込んでいるのが非常に興味深い。