キングダムが面白かった

「キングダム」。

中国史における春秋戦国時代末期から中国統一までの物語を、後の始皇帝と後の大将軍の2人が主人公となりつつ織りなされる物語である。

漫画作品だが、アニメ・映画と成功を収め、既に有名作品となっている。

評判の声は聞こえてきたものの、食わず嫌いで手が出なかった。しかし、少しずつ気になり始め、いざ手を取ってみると実際面白い作品だった。

手を取るまでの経緯と本作の魅力について述べていきたい。

歴史モノのハードル

そもそも、私は、時代劇などもあまり見なかったので、いわゆる「歴史モノ」というジャンルがあまり好きではなかった。

そのため、面白いという評判は聞こえてきていたものの、読む気にはなれなかった。

私自身、歴史は好きなのだが、好きなのはそのダイナミズムの部分である。時代を作っている人間がそこにはいて、その一貫した考え方を知っていくプロセスは楽しいと思う。

しかし、いわゆる「歴史モノ」は、事件や心理描写などに焦点が当たる場合が多く、そこはあまり興味が持てなかった。

実際、キングダムを読んでいると、「考え方」に触れており、また、「人が歴史を変える」というダイナミズムを感じられる作品であるのだが、これまで述べてきたような偏見があったのだ。

動画に触れる

そんな状態から脱したきっかけとなったのが、動画だった。

Youtubeにあったのは、作品のダイジェスト版があったり、個人が解説しているのを見たりした。同時に、Amazon Primeからアニメを少し見たりもした。

これらを続けていくと、少しずつ興味が湧いてきた。世界史全般にいえると思うが、興味をなくす理由の大きなものに、名前を覚えるのが難しいという点がある。

そこで、動画関係のコンテンツを見ることで、徐々に名前慣れをしていった。そして、主要人物が大体分かってきたとき、興味が持てるようになってきた。

これはあくまで遊びの世界だが、新しい概念を学ぶとき、アニメとか漫画は非常に有用だと思った。耳にしたり、映像化されているものを見たりしていると、徐々に言葉慣れしてくるのだ。

斬新な切り口

知っていくごとに、本作の魅力も感じるようになってきた。

一番の魅力は、史実がベースになってくることだと思う。結論が分かっているのに、プロセスで楽しませる素晴らしさを何度も見せつけられる。

そして、史実にある程度従いつつ、詳細部分や史実には描かれていない部分で創作しており、それを作品に昇華するというのは斬新だし、なかなかここまで有名になったのは凄いと思った。

マンガ歴史シリーズを読んだときには世界史の面白さを感じられなかった私にとっては、そのアプローチでここまでの面白さを描けるということに驚きを隠せなかった。

様々なリーダーシップ

ここまでは作品全体について述べたが、内容にも少し触れたい。

本作の面白さは、将軍の指揮する様子を見ることで、リーダーシップの勉強になるということだと思う。

本作には色々な将軍がいる。

・特攻しまくる

・罠を仕掛けて待ち伏せる

・陣形を駆使する

・心理戦をしかける

そして、それぞれのタイプについて、その凄さも描かれるが、その逆に弱点も描かれるのだ。

様々なリーダーシップの型があり、それぞれ得意・苦手があることを知ることができる。現代で戦争は起きていないのだが、現代の社会の縮図が描かれているように感じて、非常に転用しやすく、参考になるのだ。

天才がいない

本作でアニメ化した漫画作品として好きな点は、天才がいないところである。本当に完璧な人物がいないのだ。

例えば、

・能力のある若者を見抜く能力は高いが、個人の武力・知力は高くない

・武将として知略能力は高いが、自分の国を持ちたい野心が抑えられない

・個性派集団かつ奇策の天才だが、団結力は希薄

・武力は突出して高いが、頭脳は低い

などなど、色々なタイプが出てくる。

しかし、例えば連合して組んで戦うなど、弱みを上手く補いあって戦ったりするのだ。

そして、戦争が描かれているので、失敗すれば死んでしまう。そんな極限状態の中で必死に戦おうとする様子がリアリティを持って描かれているのだ。

軍師へのフォーカスの当たり方

本作では、割と軍師にも焦点が当たっているところも好きである。

描き方も絶妙である。

最後は武力であり、戦術の天才が猛威を振るっている描写も多い。しかし、戦術は完璧でなく、誰がどう見ても戦略が戦いの大半を決めているのは戦術なのである。

個人的に好きなシーンがあり、それは、主人公の隊の軍師の初陣のシーンだった。

そこで、「板状とリアルは違う」「そこでダメになる奴が多い」ということを認識しつつ、奮闘して、しっかり軍師として機能する経緯が描かれている。

実際、イメージと実際は違うのだ。頭による概念操作が如何に上手くても、それだけではダメなのだ。

そうしたところも描かれていることが非常に面白い。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲