私にとっては、成長を感じることは極めて大切なことである。目標に向かっている中で、成長しているように感じない日が数日続くと辛さが募ってしまう。
また、たとえ目標をかっちり決めていないときであっても、毎日の生活を過ごしてきて、何も成長を感じることができないことほど辛いものもない。
しかし、そんな成長を感じるスキルは、人間の特性を掴まないと上手く働かないことがある。
短期の目標思考
私は、「〇〇をやるぞ!」と決めて突き進む方が向いているタイプではある。
そのスキルが発揮しやすいのは、短期のもので、例えば3日以内に資料を仕上げるなど、自分が「やりたい」とさえ思えば、その時にはかなりエネルギッシュになる。
かえって締め切りに間に合わせるためエネルギーを全力で注ぐことから疲労が蓄積してしまうこともしばしばあるため、そのコントロール力は別途重視しているが、そのときのパワーは長所として捉えている。
長期の観点での活用
そんな経験から、目標があった方がエネルギーが湧くタイプであることは分かっていたが、半年以上の中長期の観点になるとあまり目標を立てて実行するのが得意ではなかった。
数年のスパンを考えると、ずっと同じことに関心を持つのは私にとってはあまり簡単ではなかったからであった。しかし、だからといって、行き当たりばったりで生きていくことは私の性格上向いていなかった。
中長期であれば、方向感を持って進むことが大事である。そして、そのためのポイントが成長を実感する力である。
悪魔のささやき
過去の中長期目標の失敗を分析すると、いわゆる「悪魔のささやき」に従ってしまっていたからだと考えた。
過去のエラーから学び、モノの捉え方のシフトが必要だった。
長期で目標を立てると、多くの場合、思うように行かない。それは、目標を達成し、そのための階段を登る姿はイメージできるものの、計画を立てたときは登っている訳ではないため、ギャップが生じる点にある。そして、人間の本能上、作るイメージ・計画は楽観的にできてしまうのだ。
そんな中で現実の壁の高さを知ったとき、不安が一気に襲いかかる。そんなときに成長を感じることができなくなってしまうのだ。
実際、自分の観点だけを見れば、これは退行に思えてしまう。しかし、それは退行ではなく、前進であるという捉え方の変更が必要なのだ。
そうすることで途中で断念する可能性も下げられる。
どうしようもないことに悩まない
悪魔のささやきとは別に、障害となりうるのが将来への不安である。
私は、中長期の目標であるほど、「このやり方で合っているのか」という悩み方を結構してきた。しかし、それは意味のない悩み方だった。
やり方なんてものは山のようにあるし、それが自分に合っているかはやって見ないと分からないからである。この点で、昔の方がネットがないから選択肢を知ることさえできないから楽だっただろうな、と思ってしまうこともあった。
しかし、これは山登りと一緒で、途中で崖が崩れているかもしれないが、それは行って見ないと分からないものなのだ。
将来の不安は意味がない。行ってダメだったら方向を変えればいいのだ。
リスクを適切に評価する
結局、私にとっての課題は、目標に突き進むパワーが慎重にリスクを検討する力とバッティングしてしまうときがあるということであった。
しかし、私が、リスクを検討する能力を使うのは、あくまで行動を取るためにある。複数の選択肢があり、悩んでしまうときに、そのときの最適と思われる解を選ぶために使うのだ。
なお、中長期的に忍耐強い訳ではないので、バスケットボールのピボットのように重点分野はずらしながら、核は変えないようにするのが私の成功パターンかもしれないな、と感じている。