程よい娯楽としての漫画
最近こそ動画の登場により、イメージが悪いことはなくなってきていると思いますが、少し前までは漫画は「子供の娯楽」としつ扱われていました。
しかし、小説1冊を読むのに短いものでも3〜4時間、長編小説だと丸1日要するのに対し、漫画は単行本1冊だと30分〜1時間ほどで読み終えることができます。
読書ほどの主体性は必要とはしませんが、自分でページをめくる必要があるので、動画がワンクリックで視聴できるのと比べると、程よく主体性が要求されるので、能動性があるので多少疲れているときにしばしば漫画を読みます。
漫画から学びを得る
先ほども触れた通り、小説も好きなのですが、いかんせん読むのに時間がかかってしまいます。
特に、小説には、途中で辞められない熱い場面があるのですが、外出の用事が入っていたりすると、まずモヤモヤした気分のまま出かけることになってしまいます。
そして、小説を読む時間を取ること自体、特に社会人以降では厳しくなりました。
その点、漫画であれば娯楽として楽しみつつ、中断によるダメージも少なく済みます。
そして、こうした物語から、別の人生を体感することができるという学びもあります。
私の場合、共感能力は高くないので、そこまでストーリーにのめり込むタイプではないので、受ける影響は限定的です。
とはいえ、その経験を抽象化することで、自分の考え方・感じ方の理解に多いに役立ちます。
ワンピース
例示として「ワンピース」を取り上げます。
長編漫画になってくると、全て読み切る意欲も湧かなくなってくるものですが、長編ながら「ワンピース」は全巻読んだことがあります。
本作での学びは、「目標」と「仲間」についてです。
本作では、主人公のルフィが「海賊王に俺はなる!」と最初から宣言しています。目標を宣言し続け、そしてその実現に向けて諦めなかったものが勝つということを分かりやすく伝えています。
実際、主人公に与えられた「身体がゴムのようになる能力」というのは、あまり有利な能力とは言いがたいものです。しかし、目標のために諦めない心は誰にも負けず、精神力で持って紆余曲折ありながらも前進していくというストーリーです。
また、主人公たちのチームを、「仲間」として機能させているのが印象的です。リーダー像の1つのあり方として非常に学びになります。主人公は基本的に放任型のリーダーではありますが、リーダーとしての責任感を大事な場面で発揮しています。そのため、一見バラバラに見えて、お互いが信頼関係で結ばれたチームとして稼働しています。
組織であれば、目標を一緒にする必要があるという印象が強いですが、その意味では、主人公達の「麦わらの一味」はあくまで組織ではなくチームなのです。このような「協力」というあり方は、現代のキーワードの1つでもある気がしています。
目標が曖昧に見えるメンバーもいますが、「世界一の剣豪を目指す」「オールブルーを目指す」など「仲間」は主人公とは全く別の目標をはっきり抱えながら主人公と行動を共にしているのです。
そんなチームの姿でありたいという想いがあるからこそ、楽しめる作品なんだと思います。
なお、その他の作品の例は別記事で扱ったことがありました。