「いい人」って何だ
先日、次の週から同じチームに来る予定だった人の評判を耳にする機会がありました。そのときの評判が「いい人」でした。
「いい人」だけだとよく分からないので聞いてみましたが、これ以上の深掘りをしても情報は出てきませんでした。
この「いい人」という評判ですが、かなり耳にします。しかしよく考えると、その意味するところは多岐にわたっています。例えば、次のような意味であることがあります。
特徴がないとき
評判を口にした人からとれば無意識な面もあるかもしれませんが、「いい人」の意味するところの多くが、特徴がないときに出てくる言葉であることが多いです。
これは、話し手のボキャブラリーが不足している場合もあれば、本当に対象者にこれと言った極端な特徴がないように思います。
優しい人
プラスの意味で「いい人」が使われている場合、「優しい人」を意味していることが多いです。
悩み相談に真摯に乗ってくれるとか、話しかけたときにいつも温和に回答してくれるとかそういうケースです。
従順な人
悪い意味で「いい人」が使われる場合の典型例が「従順な人」という評価です。
これはある種で「優しい」の裏返しとも言えるのですが、頼んだらやってくれる人だったり、本人の意思をあまり示さない場合に使われることもあります。
人物を評価する言葉のバリエーション
「いい人」という評判があった人について色々考えてみましたが、共通点はあるようでないです。そして、意味することがあまりに多岐にわたっていて、イメージができませんでした。
「いい人」ではなく、どんな言葉を発するのが分かりやすいのでしょうか。
形容の仕方を具体化する
結局、「いい人」だとよく分からないので、具体化した方が聞き手に伝わります。
例えば、今まで耳にした中で、印象に残っている評判は、
「基本的には自由にさせてくれるけど、こだわるところはこだわる人」
「不思議で考え方が読めない人」
「絡みが面倒だが、勘所は外さない人」
あたりです。
このような評判を聞くと、論理的に頭で理解できる。そして、あくまで抽象化はされているので、あくまで1個人の意見であり、言葉の解釈に余地も残す気遣いもあります。
そして、言われた方としても「それだったらこういう対応をしようかな」と頭が働きやすいと感じます。
エピソード、感情を織り交ぜる
聞いたことのある中で、端的かつ印象に残っている人物評があります。
それが、その方とのエピソードを話した後に話された、「もっとこの人の下で働きたかった」という言葉です。
時にエピソードを織り交ぜつつ、自分の感情が動いたことを伝えることで、人に伝わります。
伝わるように話すのがいい場面なのかはケースバイケースですし、エピソードが入ってくることから話は長くなりますが、言葉が与える影響は大きくなります。
人物を評価する上で大切なこと2つ
そもそも人物の評価を聞いておく目的は、「コミュニケーションの円滑化」にあります。この人がどういう人かの概要を予め知っておくことで、相互理解を促進させる効果があります。
そうであれば、これまでのまとめも兼ねて、ポイントは2つです。
その人が持つ長所を伝える
まず第一に、その人が持つ長所を伝えることです。正直、「価値観」が伝えられる方が理想的かもしれませんが、価値観を知るほど仲を深めることができていない場合も含めると、長所を伝えるのが良いかなと感じました。
物事にこだわる、戦略を練るのが好き、合意を重視するとかそのような感じです。
この際の留意点は、あくまで長所を伝えることです。
長所は二面性であり、長所を裏返したら短所です。しかし、あまりマイナスを伝えることのメリットがないのです。
伝えたくなる気持ちは分かりつつも、マイナスの先入観から入ってコミュニケーションをとって「やっぱりいい人だった」となるにはハードルが高いからです。
感情を織り交ぜる
理論で話すことで言葉自体は伝わります。受け取り手の解釈の余地を残すことが必要な場面もあるので、これが有効打になる場面も多いです。
しかし、「伝わる」という観点が必要になれば、自分がその人と一緒にいたときに感じたことも伝える方が格段に伝わります。