ストーリーを通して伝えることの大切さを「夢を叶えるゾウ」(水野敬也著)シリーズから学ぶ

「夢を叶えるゾウ」シリーズは3冊を読み通しましたが、非常に興味深く読ませていただきました。

この本は、自己啓発の分野には属しますが、ストーリー仕立てで、物事を伝えるという観点でもとても参考になる本でした。

その素晴らしさを3つの観点から紹介していきます。

ストーリーがあるのが面白い

「夢を叶えるゾウ」シリーズは、内容としては自己啓発本でありながら、ストーリーがメインで進んでいきます。

あくまで本のメインの主張は登場人物に話させることで一貫しています。そのため、ストーリーに入り込みながら、非常に興味深く読むことができます。

他方、一般的なビジネス書によくあるのは、科学的な論文を根拠にして、「成長のためには〇〇すべき」といった話を展開するパターンです。

論文を使っていたとしても、信憑性や母数によっては根拠と言えるかイマイチな場合があるにせよ、根拠としてある程度明確な感じはします。

書き手の側で考えれば、主張と論拠があり、その論拠を論文で固めていると、かなり厳密な感じはします。

しかし、読み手の側からすると、この手の話は冗長に見えてしまいます。特に具体例として実験のパートを読んでいるときに退屈さを私は感じます。

私は、「ここは、要すれば何がポイントなのか」と考えることを意識していました。実際、社会人1年目に言われた「話が長い。要すれば何が言いたい。」と数度指摘されたことは鮮明に残っており、端的に言う力を磨くことに懸命になっていました。

しかし、ポイントだけでは伝わらないのです。この本は、人に「伝わる」という観点で、とても勉強になります。

実際、この本には過去の偉人のセリフなどの引用は多いですが、科学的根拠の記載はありません。しかし、メインメッセージは分かりやすく伝わります。

また、大切なことは、場面を変えつつ、繰り返し伝えてもくれるので、読んでいてその凄さに感服していました。

フェーズごとの問題点を探っている

人間が夢を追い続け、充実させながら過ごしていく生き方を教えてくれる同シリーズですが、中でも3作目が秀逸でした。個人的には版が進むにつれて面白さが増していると感じました。

作品ではそれぞれ別の主人公がいて、主人公の前に指南役のガネーシャという神が現れ、指南役が主人公の成長をサポートする形で物語は進んでいきます。

そのアドバイスが時期に合わせてされており、かつ的確なのです。

例えば、ストーリーの最初の方では、「何かをマスターするために大事なことは、自分のやり方を一度「捨てる」ことやねん。」などとアドバイスします。

そして、他のアドバイスも、

・「一番大事にせなあかんのは、これまでの人生で自分が何に感動したか」

・「成功するために一番大事なことはー「小さな勇気」」

などとまずは行動することが大事であること、そして、インプットしたことを上手く自分の中に取り入れる大事さについて解く場面が多いです。

他方で、ストーリーの終盤、主人公が成長してくると、アドバイスの内容もガラッと変わってきます。

・「この世界はな、自分が力を尽くした分だけ、必ずそのお返しを用意してくれるもん」

・「苦しみを楽しみに変えるには、苦しみを乗り越えたとき手に入れられる「楽しみ」を考え尽くさなあかん。」

・「問題を乗り越えるための方法を「自分で思いつく」ちゅうのが大事」

などとなってきます。行動することは前提として、その先に進むためのメンタリティなどのアドバイスに変わっていきます。

最初は、インプットしたことを自分に取り入れる方法から始まりつつも、次第に、アウトプットは前提で、それを続けながら更に成長する方向にシフトしていくのです。

自分の現在地によって、今何をすべきかが上手く網羅的に書かれているところにも心を動かされました。

言葉は重要だが、結局経験しないと分からない

本の中で、「本を置いてまずは行動しろ」というアドバイスはしばしばあります。しかし、実際に「行動しよう」と思うかは別です。そして、正直、本を読んでいる間に本を置いて行動を始めることはあまりしないというのが実態かと思います。

しかし、ストーリー仕立てになっていることで、「言葉は重要ではあるものの、結局行動しないと始まらない」ことを強く伝えています。

アドバイスとして書かれていないところからも分かるのです。何より、作中でアドバイスを与えるガネーシャという神は、分かりやすく何もしないことが分かりやすいです。

口先では色々発言することができますし、実際責任を伴っていない発言はたくさんあります。しかし、結局、自分で経験してみないと、何事も分からないのです。

書評関連記事は他にもたくさん!もう1記事いかがですか?

↓こちらです↓

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲