「悪意とこだわりの演出術」(藤井健太郎著)を読んで刺激を受けた6つのポイント

著者は、TBSのプロデューサーさんの藤井健太郎さんで、今だと「水曜日のダウンタウン」の演出を担当しています。

著者が演出を手掛けるバラエティ番組の基本の作り方は、タイトルにある通りで、結構悪意があるように見えるものが多いです。

そして、細部にこだわっているものが多いです。タレントのトーク力に頼る場面はありつつも、制作側の力量が問われる場面も多い番組づくりをされています。

そんな現役の演出家の方の本です。

泥臭いですが、正直で、誠実な仕事観を知ることができ、刺激を受けました。

刺激を受けた6つのポイントを述べていきます。

評論家にならない

本作は著者の自叙伝の形ではありますが、著者のモノの考え方について窺い知ることができる本です。

その中で、読んでいて何より感じたことが、自分の行動に焦点が当たっていることです。悪意に満ちた演出も多いですが、著者本人は、自分に対して至って誠実なのです。

自分が行動に焦点があたっていることは、「おわりに」のこの記載に分かりやすく書かれています。

「年寄りの昔話と自慢話は最高にみっともないので、現役を退いてから偉そうに語ることだけはしたくありませんでした。」

表現にはトゲがあるとは思いますが、著者の信念が分かります。そして、本書に書かれていることは基本的には自身の体験に基づいているからこそ、言葉に重みが乗ってくるように受け止めました。

好きなこと、興味のあること、得意なことを極める

本書の中で好きな記載があります。

「好きなことをやっていると、無意識に自分の個性が出てきます。個性なんて自分では気づかないものです。人のことはわかっても自分のことはわからない。」

モノの考え方としてかなり共感する言葉でした。個性を活かして活躍することは重要ですが、いかんせん自分の魅力は自分では気づきにくいものです。

だからこそ、好きなことをやり続ければいいのです。そうしていくうちに、他者から指摘され、徐々に自分の得意はこれらしいということが見えてくるという趣旨の記載があります。

とはいえ、物事を自分の思うように全て動かすことはできません。関係者が必ずいるからです。

そのため、周りの意見に対しても、下記のような考え方で望まれているようです。

「周りの意見を聞いて、良い意見を取り入れることも必要ですが、好きなことにこだわることが一番大切だと思います。「自分が好き」「自分が面白い」という感覚を元に物事を判断していくと、その人だけのカラーや判断軸ができていきます。」

・自分の軸というものは、最初から出てくるものではなく、好きなことをやり続けると見えてくるものであること。

・周りの意見は大事だが、一番大切なものではないこと。

ということ教えてくれます。別にこの考え方を取らなくてもいいとは思いますが、考え方が一本の軸で通っていることは強い魅力に繋がるんだな、と感じ、強く共感しました。

神は細部に宿る

読んでいると、個人的には、著者の考えに似ている部分が多いな、と感じました。

本書では、「こだわり」についても多く触れられていて、「神は細部に宿る」という点も強いメッセージとして伝えられています。

「上司のこだわり」というと悪い印象があり、そして、実際良くない場合も少なくはないですが、「こだわりポイント」は大事だし、あっていいのです。

こだわりがあるからこそ、そこが個性として出ているポイントでもあるのです。

いびつだからこそいいし、面白さはこだわりの部分から出てくることも多いです。

このように、本書では、著者の信念について知ることができるので、「信念」の考え方を深めることができます。

無駄なものはない

お笑い芸人さんやバラエティー関係者の仕事観を知ると、「無駄なものはない」ということを強く感じます。

これはいわゆる「connecting the dot」でして、よく言われていることではあります。

無駄なことなどなくて、全ての点は線に繋がるということは、故スティーブ・ジョブズのカリグラフィーの例が十分過ぎるほど分かりやすいです。

他方で、正直、世界的な著名人なのであまりに先を行き過ぎていてリアリティがほとんど持てないのも事実です。ワクワクする気持ちは芽生えつつも、自身のイメージと繋げることはできなかったのが実際のところです。

しかし、本作では、プロレスやラップや映画作品など、色々なことを広く知ってきたことが、現在の仕事に役に立っていることを具体的に教えてくれるのです。

天才でないが想いは負けない

著者は、決して天才ではないということを随所に散らばせています。

ではどこで戦っているのかといえば、

「基本は根性論です。「負けたくない」という気持ちの強いヤツが勝つ。」

という記載がありました。

かなり泥臭いですが、この考え方でもいいんだなぁ、と背中を押していただいくような感触を抱きました。

何より自分はスマートなので、どうみても雑草魂で踏ん張っている側なので、頑張ろうと思えるのです。

会社員という立場だからこそリスクを取る

著者はTBS所属でありながら、フリーの方のように自由にやれていることに感謝していることが伺い知れます。

そして、自身が会社員という立場であるからこそ、積極的にリスクを冒す行動を取ることができるとも書かれています。

会社員という立場であるからこそ、できることを最大限に活かして積極的にリスクを取ることが必要だし、むしろそれを活かしていくべきだったのです。

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この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

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