何事も同じかと思いますが、歌においてもスキルがあり、それを身につける過程が生じます。
1つ1つのスキルは地味です。しかし、これらが組み合わさるとき、聞こえ方が変わってきます。
まず自分が自分の声を好きになり、そこから魅力的な声へとなっていきたいものです。
「上手い」と感じる声を目指す
「歌う」という行為自体は好きなのですが、自分の声を客観的に聞くのは難しく、上手いかどうかは正直分かりません。
ノウハウが身に付いていけば、スキルは上昇しているとは言えるのだと思いますが、その面では多分上手くなっているとは思うのですが、なかなか実感するのは難しいです。
それは、目標の目指し方が少し違ったのかもしれないな、と思いました。だからこそ、目指すのは「上手いと感じる」声です。
「上手い」というのは、理性的な思考でなされたものではなく、あくまで感覚で直感的にされる判断で決定されます。
そうだとすれば、人間が「上手い」と感じるツボを抑えれば、大抵「上手い」と聞こえるのです。
その考え方が非常に面白いな、と感じました。そこに楽しさの一部分を見出していると感じました。私自身、感性でスキルを体得できる天才肌ではないので、それが戦える土台でもあるのであろうと感じるのです。
歌の例でいえば、生まれながらの歌手そのものにはなれないにしても、理論を知り、それを実践することで肉迫できるのであれば、それは非常に興味深いことです。
抑揚を考える
そして、歌で「上手い」と感じるのが、「抑揚がしっかりできていること」です。
・文尾で段々弱まるクレッシェンド
・音をズラして歌うしゃくり(こぶし)・フォール
・ビブラート
など、単体では大したことのないようにも思えるスキルを組み合わさることで、上手く聞こえるようになるのです。
「自分には出せない声」が出ているから凄い・上手いと感じるのです。それは1つ1つの理論を複雑に組み合わせることによってなされるのです。
そして複雑に組み合わせるためには、1つ1つのスキルを無意識下でも発揮できるレベルまで落とし込むことが重要です。
だから反復練習も必要になります。
しゃくり(こぶし)を出そう
今回から、しゃくり(こぶし)を身につける過程に入りました。ちょっと下の音から、正確なところに当てる形で発声する音のことを「しゃくり」と言います。
そして、その音を伸ばすと「こぶし」と言います。演歌歌手がよく使っているものです。
このスキルについても、プロの歌手は、歌っている中で自然につけているそうです。とはいえ、素人は、まずは歌手のしゃくりを真似ることからです。
ただし、このスキルは、あまりやり過ぎるとくどくなってしまうので、その点は注意が必要です。
なお、反対概念は「フォール」なのですが、フォールの方がくどくなりやすいので、しゃくりを意識する方が大事なようです。
練習しよう
実際の歌を聴いてみると、思っているより「しゃくり」は使われています。
歌い手によるかもしれませんが、子音を発音しているのに、その後に母音(あいうえお)が聞こえるときは、しゃくりが使われていることが多いように感じます。
ただ、聞こえても、それをやるのはまた別物です。実際音を真似てみようと思うと、その速さに驚きます。よく「スピードを遅くして練習すること」が行われますが、その必要性を始めて認識しました。
歌い手の歌い方を分析すること
「しゃくり」を使って歌っているかと思って色々な歌を聴いてみると、歌い手の個性が見えてきました。
こうやって分析して、「●さんはどういう傾向がある」と知り、それが出来るようになっていくことで、ストックが蓄積されていきます。
そうして、ストックが蓄積されてくることから、そうなると、次第にオリジナリティが出てくるのです。
物事を習得するプロセスは共通点が多いことを感じました。
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