書評「バカ論」(ビートたけし著)

ネットを見ていたとき、明石家さんまさんを「教養なき天才」とこの本で評していることが分かり、分析に脱帽し、本を買ってみた。

これまで、正直ビートたけし氏の「お笑い」がよく分からなかったが、本を読むと彼の考えるお笑いが大分分かってきたような気がした。

本全体としてはしょうもないことが大半だが、その中に重要なエッセンスもちりばめられており、さっと読めるが、熱量のあるところもあるな、という印象であった。

勝つための工夫とか、自分への自信がちょくちょく垣間見れる作品であった。

それにしても、しょうもないことで約200ページの本にまで話を盛り込むのはさすがだな、と思う。

また、彼のネタはショートな毒舌のあるあるが結構多いため、列挙して色々なことが書いてあるので、内容は多岐に渡っているように思われる。

特に印象に残ったところは下記3点。

①たけしの勝つための工夫

関西芸人の面白さに一度は打ちひしがれたたけしだったが、勝てるための方法を分析した。

それで、標準語を捨て言葉を崩すこと、関西芸人が売れてネタを作らない間もしっかりネタを作りこむことをした。

だから最終的に逆転した、と思っている、とある。

ビートたけし氏の話を聞くと、「バカ野郎」とか少し乱雑な口調だと思っていたが、それは彼自身が勝つために意識して変えたところだったのか、というのに驚き、努力の汗を感じた。

また、関西弁は言葉が短いからリズムがよい、それに対抗するために言葉を変えたとあるから、かなり分析して考えている。

また、売れて怠けているときに、自分はコツコツ頑張ることを続けたというのも「言うは易し、行うは難し」だと思う。

このような彼の努力の部分が分かってよかった。自己分析とそれで方針を決め、努力をひたむきに進めることが重要であることの具体例を見せて頂いた。

②諦めない源泉

ビートたけし氏は、テレビに出る芸人であるため、運を重要視している。

そのため、本書でも、「芸人としてのセンスは教えられるものじゃないけど、育ってきた環境というのは大いに関係がある」と説いている。

その項の中で、「生まれ育ちはよくなかったけど、でも楽しいことがしたい。自分の手でそれを叶えようという理想に燃えているから、諦めない。それはやっぱり強い。」と記載があった。

理想に燃えているから諦めない。だから強い。という言葉は痺れた。本書はこの後だから芸人養成学校でこちらから金払うのはどうなんだ、という話に移行する訳だが、理想に燃えること、情熱を持って取り組むことの大切さを理解した。

芸能分野は特に勝敗の差が大きい部分なので、勝つことが大切で、諦めない心が大切だ。熱いメッセージを頂いたと思う。

③芸を盗むこと

抜粋しながら本書から引用すると、「芸を盗むことが大切。しかもこいつ上手いな、という奴からパクる。そして、勉強したんだな、と相手に思わせること。そこから自分のものにしてオリジナルを超えていくこと。」とある。

デッドライン仕事術の吉越さんもTTP(徹底的にパクる)ことの重要性を強調されていたが、そこから相手に認められ、そこから更に昇華させることについても示唆頂いた。

全てが凄いなという人には出会っていないが、それでも「この人のこれが凄いな」と思うときは、仕事をしているとしばしばある。この良い部分を徹底的にパクることを最近あまり意識せずつき動いて来たので、はっとさせられた。

なお、凄さを知る指標は、「その時にいかに周りより飛び抜けていたか」だそうだ。確かに。。

ちなみに、さんまさんの分析の後に、鶴瓶さんの人のよさ、人間関係の構き方の上手さを評価している。これはテレビを見ている側からだと分かりにくく、以前の私は鶴瓶って面白くない。。などと思っていたこともあったが、A- studioの徹底的な分析と、色々な人にあって、その人を探ってから望む番組構成には感動した。面白い番組だと思った。インタレスティングの面白さの方ですね。本書では「家族に乾杯」の方が紹介されていた。見ている人はしっかり見て評価しているんだな、と思った。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲