書評「手ぶらで生きる。〜見栄と財布を捨てて、自由になる50の方法〜」

いわゆる「ミニマリズム」の本である。

これまでの同趣旨の本は、どちらかというと片付け本で、何もかも捨てることに執着過ぎでは、と思えるものが多かった。

しかし、この本は、最初に、ミニマリズムの本質は、ある1点を目立たせるために他を削ぎ落とす「強調」にある、と言及しているように、自分にとって大切なもののために、他の不必要なものを減らす生活、考え方をしている、ということで一本軸が通っている。

強調させるものはシンプルで、それとは違うと述べられており、そこがこれまでの同旨の本と違うところである。

もっとも、タバコが嫌いで友人関係を切り捨てた話とかは、「他の人の主張は認め合おう」と別章で述べていることと比較すると行動が伴っていない部分がある。つまり人との違いを認め、価値感を理解しつつ主張し合うということであれば、タバコ嫌いもタバコを吸っていることもどちらもその人の価値感であり、それは主張はしてもお互いの価値観を否定はしない、というのが取るべき態度であるべきだとは思う。

また、給料日の度にデパートへ行き、物欲あるままに買ってしまう人の話もあるが、それも他人の価値観である訳で、それはその人の価値観として尊重してあげるべきではないか。要すれば自分は好きではないが、否定するものではなく、他人の価値観として認め、否定まではいかないべきではないか。

この点は、著者の価値観の押し付けがあり、また、少し極論じみたところがある点は気になるところではあるので、触れておきたかった。

とはいえ、本全体としては学ぶことが多いし、取り込みやすい構成となっていると思う。

さて、ここから具体的なポイントで、感銘を受けた点を述べていく。ポイントは3点。

①「自立とは、依存先を増やすこと。」

依存先を増やしてひとつひとつへの依存度を浅くすることで、何にも依存していないかのように錯覚できる。この状態が「自立」なのである。

人間は社会的動物ではあるが、孤独も必要としている動物でもあり、よく分からなくなる。人付き合いは浅く広く派か、深く狭く派か、という話もしばしば議論される。また、自立とは何か、と問われると分かるようで分からない。…などと思っていたが、そこに一石を投じる話だった。

上記の自立の定義は、一瞬飲み込めないのだが、しっかり読み込むと名言だと思う。だから、虐待、DVなどは依存から生まれる。

人間関係は難しく、人の考えはコントロールできないから、多くのカードを持っておくべき、という考えを持ち、色々な人に接していこうと思った。

もちろん、深く付き合うことも大切であるので付言しておく。これまで浅く広く派の考えの根拠がイマイチ分からなかったものの、それが腑に落ちたので、重点的に述べたものである。

②「消費する側から生産する側にまわる。」

消費の快感は中毒性の高いドラックと同じである。不健康な快感であり、健康的な快感を求めるべき。生産活動、すなわち、自分で生み出し与える側になることで、自分の幸せは自分でつくるべきである。

まさにそうだと思う。生産側にまわることで色々とわかってくることもあると思う。ここについてはまだまだ勉強中の身ではあるが、生産すること、生産側に時間を使うことの重要性はしっかり記載されており、強く共感を覚えたので心に残った。

関連として、よく使うため、画面を見やすくするという観点からスマホを大きいものにした、との記載もあり、確かに大きい方がいいかな、と思った。次の更新時期にそちらの方向で検討しよう。

なお、恩をまわすという考え方や、物をあげたり売ったりすることの重要性についても言及があった。

恩を返すでなく、まわすという考えは、根拠分からず大学時代に無駄に言われてきたのだが、確かに上から受けた恩は上には返せないので、しかし、恩は確実に貰っているので、それは下の世代に返すしかないな、とは何となく思ってはいたのだが、そのことが文書でも確認できた。

物を捨てずに売ったり、あげたりすることの重要性も最近分かるようになってきた。最近ふとしたところから参加賞的にドラえもんのノート(自由帳)を貰ったのだが、明らかに私は使わないので、小さい子供がいるお母さんにあげたところ、非常に喜んでいた。こちらもほっこりしたし、物としてもいい所有者移動が出来たと思う。今段階ではこれくらいのかわいいエピソードで目白押しの状態だが、物は捨てないで他に生かす道がある、出口戦略を考えることは少しずつ意識していきたいな、と思えた。

③「なにが嫌いかをはっきりさせる。」

何が好きかをはっきりさせることはよく述べられているが、嫌いもはっきりさせよう、とあり驚いた。

嫌いはあるが、表には出さないので、はっきりはさせてない。惰性の付き合いとかは嫌いだが、嫌いなことはどんどんとは浮かばないのが現状である。

まぁ、あまり嫌いなことをどんどん浮かぶ必要はないのだが、要すれば自分軸を強く持ち、瞬間的に判断せよ、という主張であると理解した。

重要なことにフォーカスするから、何を重要視しないかもはっきりさせる。言葉でいうのは簡単だが、実行は難しい言葉の中でも上位に入る気はするが、重視しないことの明確化、例えば故スティーブ・ジョブズやザッカーバーグにおける服などはそう言えばそんなに意識せずにいたな、と反省した。

なお、次点の発見として、トライアンドエラーが重要という話もあった。物についてもエラーはあるので、エラーしつつ自分を発見することが大切だ、とあり、なるほどな、と思った。

ちなみに、プチ発見として、

○デカフェコーヒーの話

○口腔洗浄器の話

があった。ここは気軽に導入できそうなのでちょっとやってみようと思う。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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