山口さんの著書は、ほとんどがモノの書き方ですが、実際のライティングよりも、その前の準備作業の重要性を強く主張していることに特徴があります。
そのため準備を徹底せよ、というところに学びを得てきたのですが、今回、語彙本を出されました。
いくつか語彙本は読んだことがあるのですが、あまり面白くない、というのが印象です。むしろ、「いや、これは現場では使わないし、まず誤用も正しい書き方もあまり馴染みないよ」という点が多いな、と思っていました。
しかし、この本では、本当にビジネスシーンで使っているところの記載に終始しています。やはり語彙本なので、どんどんと語彙が紹介されて、起伏が少なくはなるのですが、何となく使っていた表現が合っていたり、間違っていたりと確認できます。
本書では、おわりにのところに、「これから3ヶ月間、本書を携帯して、くり返しページをめくって下さい。」とあります。これが本書の最大の使用法ですね。たくさん紹介されていることもあり、1度では消化しきれないな、と思いました。納得できたり、新しく発見したところに付箋を貼っていったら、付箋でいっぱいになってしまいました。
何より、ビジネスのメールするときとかに、まずは使ってみようと思いました。
語彙として見直すべきところや、いくつか発見もあったので、内容にも触れつつ、以下に述べていこうと思います。
まず1点目は、思わずなるほど、と言ってしまったときは、なるほど、そうですね、とか、おっしゃる通りですと続けて切り抜けよう、というところです。
こちらは、シンプルに私がなるほどですね。とか言ってしまうのですが、それはダメで、上記のように後ろに言葉をつけて切り抜けよう、と助言頂きました。なるほどですね、を控えていこうと思いました。
次に、2点目は、否定せざるを得ない場面での、「おっしゃることはわかりました。しかし〜」という言葉使いです。
ここでは、指摘に同意したことにはならない、とその下にはっきり書いてあり、安心しました。こういう言葉や、理解しました、とかを使っていたのですが、その書き方、言い方で問題ないことが確認できました。
3点目は、存じるは対象が人以外の時に使う言葉、対象が人の時は存じ上げるを使う、という点です。
存じると存じ上げるはあまり意識して使ってなかったという点と、思い返すと恐らく間違えて使っていたこともあったなぁ、と思い、はっきりできました。
最後に、取り急ぎご報告まで、はよくないケースがあるという点です。まずはご報告申し上げます。か、まずは要件のみにて失礼いたします、とかの方がよいそうです。取り急ぎご報告まで。はよく使ってしまうので、慎重に使っていこうと思いました。
このように、実際に使っている語句が多く出てきて、その意味合いや用法を説明してくれます。
語彙本自体あまり好きではないのですが、この本を携帯するといいのかな、と思いました。ただ、情報が盛りだくさんすぎるのと、やはりクイズ形式で質問とかあって定着できる工夫が本に盛り込んで欲しかったなぁ、とは頭をかすめました。