ストレングスファインダーにおいて、「慎重さ」という資質があります。
「慎重さ」という言葉から見ると、あまり良いイメージは湧かないと思います。
何より、「慎重さ」が1位だった私はこの資質をあまり好きにはなれませんでした。
私の場合、1位の資質であるため、自然とこの資質が言い表している対応をしています。ストレングスファインダーを知るまで、私はこの考え方が当たり前だと思っていたのですが、この資質について知った上で、他の方を色々と見ていくと、どうもそれが当たり前ではなさそうなことが分かってきました。
これは「個別化」の話ですが、ストレングスファインダーは、私がうっすら思っていたようなことを明快に言語化してくれているので、大変興味深いのです。日常生活を送っていると、学校教育が分かりやすいですが、十人十色と言いつつ、画一的な対応をされる場面が多いです。しかし、「人はみんな違う」ことを示してくれるのが、このツールです。
1位であるからこそ潜在意識に染み込んだ動きの度合いも大きいのですが、できる限り客観的に見ようと思います。
ただし、この資質は悪い面に目が行きやすい資質だと考えているので、いい面を多めに取り上げます。
「慎重さ」は実行する才能
そもそも、一般的に、「慎重な人」といえば、「なかなか動かない」というイメージがあると思います。それこそ、「石橋を叩いて渡る」ではないですが、臆病者で、何もしないようなイメージを伴うと思います。
しかし、ストレングスファインダー的な「慎重さ」は一般的な用法とは異なります。4象限にいう、「実行系資質」に分類され、つまり、自分で行動する資質なのです。
確かに初見の案件の初動は早くないのですが、自分の中で準備ができたと考えれば動きます。その「動く」ことは周りにとっては急に動き出したように見えるようなので驚きかもしれませんが、それは準備ができたから動くのです。「慎重さ」資質をにただ考えるのではなく、動くためにリスクを予め潰そうとするのです。
実行する資質であることが分かりやすいのが、「2度目以降の対応」についてです。2度目以降の対応については、やり方が決まっており、初めてやるのとは異なり、考えることも少なくなります。
そのため、やることや立ち回りが決まっていることは、むしろ「対応が早い」と言われることもあるほどで、その意味では、「慎重さ」がある人は断じて臆病ではありません。
「慎重さ」は準備する才能である
私自身は、この言葉を見聞きしたときに、納得し、この資質を認めることができました。
下記に記載しますが、リスクに気づくというメリットもあるにはあるのですが、如何せんそのメリットは自覚しにくいし、リスクに気づいて潰すので、評価する人がしっかり見てないと評価されないこともしばしばあるからです。
表題にしていますが、もう1度述べます。
「慎重さ」は準備する才能です。
そう言われて行動を振り返ってみて気がつきましたが、私自身準備する時間にイキイキした気持ちになることに気がつきました。
準備する時間は、周りにいる人は「黙々と何かをしているな」と思うと思いますが、「慎重さ」持ちの作業している本人はやりがいを覚えることが多いと思います。
「準備した内容=表に出す内容」ではないことから、他の方がどの程度準備しているのか分からないのですが、準備して動くのが当たり前だと思っています。
この点は離れた資質から考えると分かりやすいと思います。この面では離れているのは、「活発性」です。「活発性」はとりあえず動くというか、動いて、エラーが生じたら別の方向で試してみる、という感じでまず動くそうです。例えば、初めて訪問した駅で、待ち合わせ場所に行くのに、右と左の道路があったとき、根拠はないがとりあえず突き進むのが、「活発性」が高い方の傾向です。そして、間違えても一切気にしません。
そして、例え話したりする内容の中に準備した内容が含まれてなくても、そして、極論をいえば、1つだけうまくいって、他の準備した内容は一切日の目を見なかったとしても、そのことは全く問題ないし、そこは「労力の無駄」とは思いません。
そのため、デメリットをいえば、考えすぎて実行するタイミングを逃す可能性はあります。それをしないために、「慎重さ」のボリュームを調整し、自分の中で許容範囲なら動こう、などと調整することは重要です。
「慎重さ」はリスクの可能性に気がつく
「慎重さ」のリスクを見抜く点は、強みとしてよく言われるのですが、「リスクヘッジ」という言葉も一般化してきている今、リスクに備えることはそこまでのメリットには思えないようにもみえます。
しかし、そのレベルではなく、「慎重さ」はリスクの「可能性」にも気がつくことができるそうです。
会議において「慎重さ」が活躍するのは、「ちょっと待ってください」というときなのですが、そこで指摘する内容が、ほとんど誰も気づいていなかった点だったということはないでしょうか。
私自身は、「なんでこんなこと気がつかないんだよ」としばしば内心では思っていたのですが、これはどうも「強み」であるようです。
「強み」は自分にとっての当たり前なので、「強み」の内容を自覚し、他者と接していく中で、自覚的になっていくのだと理解しています。
「慎重さ」は思慮深い
対人関係における「慎重さ」資質を持っている方の褒められ言葉が、「思慮深い」です。
他の資質との組み合わせにもよりますが、「慎重さ」持ちの人の傾向は「聞き手である」ことがそれなりに多いと思います。
そのため、後出しで出すため、しっかり相手の話を受け止めてから、返答するので、「思慮深い」とよばれることもあります。
そして、リスクを考えてから発言などもするので、基本褒めません。だからこそ、褒めるときは、純粋に素晴らしいと思っています。その面で、「人を見る目がある」などと言われることもあるかもしれません。
他方で、デメリットとして、対人関係においては、それこそ「慎重」なので、初対面は得意ではありません。親しい人との綿密なコミュニケーションを好む「親密性」と「慎重さ」は特に、社交パーティーなどには向きません。
私自身は、おそらくそこは他の方に補ってもらうのが良いと考えています。初対面で知らない人と話すことのハードルが低いという「社交性」や、話したりといったアウトプットが得意で、アウトプットしながら考える「コミュニケーション」を上位に持つ人と共に行動すれば、ここが苦手でも補うことができると考えています。
編集後記
「強み」を知るには、それが「強み」であることを自覚することが何より大切です。そして、それを生み出す鍵は、「対話」にあると考えています。
ストレングスファインダーの概念を知るまでは、初対面の人にガンガン話す人や、その場になんとなくいるだけでなんか上手く立ち回れる人など、色々な人がうらやましいと思うと同時に、自分にはできないな、と感じ、絶望感を感じていました。
しかし、そこに絶望感を感じる必要は全くなかったのです。「できないところはある」ということを自覚した上で、他の資質で補うか、他の人の力を借りればよいのです。「シンプルに考えよ」と指摘を貰ったようでした。
一見、自分とタイプが違う人と話すのは、話しにくいと感じるかもしれませんが、資質を知りその傾向を知ってから話してみると、その「違い」を楽しめるようになり、かなり興味深いです。
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