「高校生のための英文法=スッキリ講座 いろどり編」(河野太一著)書評〜英文法の棒暗記知識を総整理〜

本書は、「くみたて」編から続く、英文法の基本を記した本です。

(↓くみたて編の書評はこちらです↓)

くみたて編、いろどり編を通しで読むと、今までの自分の頭の中の、分かりにくい英文法理解の世界の視界がクリアになった感覚がしました。

この2冊はセットの本で、両方を見ると、英文法構造の全体の整理が大きく進みます。こちらの「いろどり編」では、「くみたて編」の知識をある程度前提としつつ、幅広い部分をカバーしている本です。

それでは、詳細を見ていきましょう。

時制の考え方

そもそも、英語には時制がいくつありますでしょうか。

一般的な教育では、「3つ」と教えられると思います。それは、「過去」「現在」「未来」の3つです。

しかし、本書の立場は、2つとしています。「過去」と「現在」のみです。

それでは、「未来」という時制はないでしょうか。

本書の記載を参考にすれば、英語には未来を表す決まった動詞の形がなく、多くは、助動詞を動詞の前に置くことで表現することとなります。しかし、「未来用」と決まっている助動詞はありません。

実態面を見ると、助動詞の中から「適当に」文脈に合ったものを使うことになります。しかも、助動詞を使うということは、「未来の事柄に関して現在から判断」をしているということになります。

そのため、「未来」という時制はないものと捉えた方が、英語全体の構造を理解しやすいのです。

例えば、

It will rain tomorrow.

という文章があった場合に、明日雨が降る「だろう」と判断している時制は「現在」になります。

現に、助動詞を付けるだけで、過去形のように動詞の形を変えるといったことは生じていません。

過去形を使うとき

過去形を使うときといえば、

I had a cat.

などというように、現在の前の時点としての「過去」を想像すると思います。

しかし、例えば、

Would you mind opening the window?

といったように、この場合のwouldはwillの過去形ですが、この文は過去のことを述べていません。

そこで、英語の考え方として持った方が理解が楽になる、過去形のイメージの提示がありました。

それこそ、過去形のイメージは、「遠い」と認識することです。

具体的には、過去形が示すものは大きく下記の3つであることを指摘しています。

過去…現在からの遠さ

空想…現実からの遠さ

丁寧…相手からの遠さ

こう考えれば、仮定法がどうとか、丁寧表現とか「このときは過去形にしよう」と個別に丸暗記せずともよくなります。

これまでの知識が整理できました。

冠詞について

日本語には冠詞という概念がないので、日本人が英語を話すときは、冠詞つけ忘れがしばしば発生します。

とはいえ、日本人としては、「なぜそんなのつけないといけないの?」と思ってしまうのも事実です。

そこで、本書では、日本人が冠詞の学習に向き合うときの構えを教えてもらいました。

まず、英語のスピーカーの気持ちに立つことが大切です。

例えば、

Pochi is dog.

という文を話すと、

「ポチは、バラバラに、個別に存在するものではなく、境界線もなく、線では容易に描けない犬です」(167ページ)

と言われているような感じを受けるようです。確かに、そう考えると、その表現の気持ち悪さが少し理解できます。

その上で、接する態度としては、

「一生懸命学ぶ、でも間違いは気にしない」(168ページ)

とした方がいいようです。

「私は今朝たまごを食べました。」という文があったとき、外国の方が「私を今朝たまごは食べます。」と言ってきたら、もの凄く違和感はありますが、何を言いたいかは伝わります。

それと似た感じかな、と理解しました。

5文型の例外

「これは理屈がよく分からんなあ」と思う英文法知識に、

・SVO to do

・SVO do

があります。例文を用いると、

I want my son to study English.(270ページ)

My wife made me clean the bathtub. (273ページ)

といった表現です。

実際、中学・高校時代に出会ったとき、理屈は理解できず、丸暗記で覚えました。そして、それで問題なかったようです。

本書では、このような表現を使っています。

「基本5文型にあてはまらない、またはあてはめないほうがよい文型」(267ページ)

私の中で、「あてはめないほうがよい」という表現がしっくりきました。あてはめず、「例外」として認識することが必要な知識でした。

他のものをできる限り整理し、原則を一通り理解したときに、「ここは例外だと理解しよう」ということを言われると、かなり腑に落ちて理解できる感覚を抱きます。

法律も同様ですが、英語は例外が多い言語ですが、とはいえ、「原則」を理解しないと、例外から理解すると自身が納得していないから頭に残りにくいんだな、と認識できました。

編集後記

英語という語学は、想像していたよりも、日本語と距離のある言葉で、別の言語として謙虚に学習して行かないとな、と思ったシリーズの本となりました。

本当に1回読んだだけだと身に付かないので、少しづつ、自分の中に染み込ませて、それこそ、理論の理解から感覚に落とし込んでいければと思います。

もはやどの分野もそうなのですが、腰を据えて取り組んでいくことが必要です。

本はこちら

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この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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