英語学習を始めました。
学生時代の勉強の復習から必要な状態なので、まずは文法から復習を始めています。
今回、英文法の本を読みました。こちらの本は、「高校生のための〜」のタイトルにありますが、日本で英語教育を受けてきた人が、学び直すのに向いていると個人的には思った本です。
英文法の基本
英語の文法学習において、公立中学、公立高校と進学して学習した場合、高校の過程における文法がいきなり難しくなる印象があります。
文法も、仮定法を急に習ったり、マイナーな構文を学習して難しくなってきます。そのように段々と細部の知識をつけていくことも大切な一側面ではありますが、何より大事なのが、文法の基礎になります。
英文法でコアとなる部分はどこにあるのでしょうか。細かい知識を身につけていくほど、そして、扱う英文が長くなってくるほど、その基礎を見失ってしまいがちです。
この本は、その英語の骨組みとなる「基礎」はどこにあったのかを教えてくれる本です。
大切な要素を2つ紹介します。
文の構成要素となる4つの主な品詞
もちろん品詞は、4つ以外にもありますが、「4つの主な品詞」とは、どの4つのことを指すでしょうか。
その4つとは、
①名詞
②動詞
③形容詞
④副詞
になります。
おそらく、「4つは主な品詞は何か」と聞かれた際、30秒ほど時間を与えられれば、この4つを想起できると思います。ただし、その途中で、「代名詞」とか「前置詞」とか他の品詞が出てしまうと思います。
まさに自分がその状態でしたが、この状態こそ、「基礎が身についておらず、ガタガタな状態」ということになります。
文法や構文の基礎がカッチリと固まっていないので、英文の読み聞きのやり方にバイアスがかかってしまい、勝手な解釈をしているので、誤読が多くなっているのかな、と仮説を立てて基礎からやっています。
文法本で発見が多く、読後に頭が整理されたような感覚がするということは、基礎がしっかりしていなかったことの証明でもあるので、謙虚・素直にそのメッセージをまずは受け取ろうと思いました。
4つの品詞の中では、メインはもちろん「名詞」と「動詞」です。そして、修飾語のメインとして、「形容詞」と「副詞」があります。
そうなると、「2つの品詞としてもいいのでは?」と一瞬思いますが、例えば、現実世界において、
KEN runs.
という文章はなく、実際には最低でも、
KEN runs very fast.
という表現をするかと思います。そのため、修飾語句といえど、メインの2つは重要な品詞という理解をする必要があります。
名詞の4つの役割
4つの品詞を先に紹介しましたが、その中で最重要であり、役割が多岐にわたるのが名詞になります。
その名詞はどの役割を果たすでしょうか。
解答は、
①主語
②目的語
③補語
④前置詞の目的語
の4つとなります。
この4つも即答すべき内容となるのですが、実際に聞かれると、「補語」あたりで1つのハードルがあり、「前置詞の目的語」に関しては、かなり思いつくのが難しくなってきます。
これが、「文法の基礎か」という思いを抱くとともに、これまでの学習に穴が大きかったことを自認しました。
文型を決める「動詞」
動詞は動詞の役割と、役割自体としては1つしか果たしませんが、ある「重要なこと」を決める品詞です。
「重要なこと」とは、文型を決めるということです。
いわゆる「目的語(0)」「補語(C)」が後ろにどのようにつくのか、はたまたつかないのか、を決めるのが動詞の役割です。
それ自体は、日本語と同じようにも感じますが、難しいのは、日本語と英語でパターンが違うものがそれなりにあるということです。
また、文型を取ると言っても、1動詞1パターンではなく、1動詞複数パターンが出ることがあります。
もちろん、「giveはSVOやSVOOを作る」を代表とするように、いくつかのパターンは認識していますが、あまり動詞を文型パターンで認識していないのが現状です。
これは、リスト化して覚えないといけないのかな、でもリスト作るのから面倒だなあ、とぼんやり思っていました。
しかし、本を読み進めていくと、このような記載があるのを見つけました。
「問題を解いて、間違えながら覚えていくのが一番です。動詞のリストを作ってウンウンうなって覚えたりするのは効率が悪いのでやめたほうがいいでしょう。」(85ページ)
動詞の用法は、意図的に覚えることはせず、問題で接する中で、間違えつつ覚えていくので問題ないということでした。少し気が張っていたところが楽な気持ちになる記載でした。
私自身、これまでしっかり認識していませんでしたが、完璧主義なところがあり、記憶系でトライしてみては挫折をするのを繰り返してきました。
振り返れば振り返るほど、昔からその気質があり、勉強面での挫折については、中学時代は範囲が広くなかったからローラーでやってもできる範囲だったから対応できた訳で、範囲が広くなると対応できなくなっていったということです。
英語でいえば単語帳への取り組みが分かりやすいですが、知っている問題も含め、周回を繰り返す勉強をしていたので、「終わり」を感じることができず、挫折することを繰り返していました。
恥ずかしいことですが、当時は、「本が自分に合わない」と思っていたと思われ、複数の本で同じようなプロセスを踏み、挫折を繰り返していました。
この英語学習は、完璧主義からの卒業という自身の課題克服の過程でもあるので、完璧主義の対策についても、取り組みながら行動の修正を図っていきたいと思います。
カタマリのシンプルな理解
ここまでは単語レベルの話でした。品詞や単語については、ミクロな世界で、そこまで複雑にはなり得ないので、それぞれ個別に記憶していても、何とか対応できてしまいます。
しかし、カタマリ、すなわち文法用語でいうところの句や節になってくると、構造も複雑になってくるので、付いていけなくなってしまいます。
とはいえ、文法用語が難しいのです。「分詞構文」とか真面目に理解しようとしたから身につかなかったんだな、と今から振り返れば思います。
この本を読むことで、文法用語を排し、シンプルな理解に繋げることができました。
2つの型を紹介します。
doing 型
まず1つ目が、doing型です。
この型として、3パターンあり、カタマリが「名詞として働く」「形容詞として働く」「副詞として働く」の3つがあります。
こう考えればシンプルなのです。
実際には、名詞として働くのが動名詞、形容詞として働くのが現在分詞、副詞として働くのが分詞構文なのですが、その用語を使うと、3つの概念はバラバラに整理されてしまいます。
実際、私は別々に整理していたので、これを理解すると、かなり頭がスッキリとしました。
なお、「doing型」という言葉は一般的ではないので、例示します。
Studying English is fun.
(143ページ)
done型
2つ目がdone型です。
done型は、カタマリとして、名詞で活動することはできません。
これは覚える必要がありますが、要すれば、「done型はカタマリとして、形容詞と副詞の機能を果たす」とのみ理解していれば、幹は理解しているのです。
なお、「done型」という言葉自体は一般的ではないので、同様に文を例示します。
Seen from the sky, the mountain is very beautiful.
(148ページ)
理屈と感覚
最後は感覚でできるようになれ、とよく言われます。
おそらくそれは事実なのでしょうが、その前提として、理屈を身につけていることが大切です。
英語が難しいと私が感じるところは、7歳以下など言語形成過程の時期に英語圏にいた人は、既にバイリンガルとなっており、その上で、その方々は自然と英語に接する習慣もできているので、特段の意図的な学習を必要としない点にあります。
そういう視点で見ると、英語学習者にとっては、バイリンガルである人は何ら苦労せず2言語を話せるようになっているのに対し、純粋な日本人である者は血の滲むような努力を強いられているように感じてしまいます。
実は、バイリンガルの方も、それはそれで、日本語でも専門用語とかは頭に入りにくかったりと、それぞれ苦労はあるようなのですが、「隣の芝生は青い」現象が生じて、バイリンガルが羨ましくなってしまいます。現に、英語が話せる日本人が日本で学生生活を送ると、苦労がかなり少ないと思います。
バイリンガルと、純粋な日本人は学習方法が違うことを腑に落ちるレベルで理解し、純粋な日本人は、理屈を感覚レベルで判断できるほどに身体に染み込ませる必要があることを認識することができました。
本にはかかる記載があります。
「理屈を踏まえた判断ができない人は、上級者になれないのです。」(282ページ)
編集後記
それにしても、本のタイトルというのは慎重に決めないと怖いなあ、と思います。
特にこの本は、かえって、大学生や社会人など、学び直しとしての矯正の導入本としての方がピッタリではないか、と個人的には思っています。
実際、本屋でこの本を見たら、私は、「高校生用か」と思って買わないと思います。タイトルは本の内容の要約が望ましいですが、印象付けというニュアンスもあるので、なかなか難しいところでもあるな、と思いました。
本はこちら
英語関連記事は他にもたくさん!もう1記事いかがですか?
記事はこちら。