仕事もプライベートも対人関係の他にストレスになることのうち、大きなものが、やることが多すぎてパンクすることです。
経験がある方も多いと思いますが、人間はタスクが多すぎて何をやればいいのかが分からなくなるとパンクしてしまいます。
パンクすると、「何をすれば良いか」が分からなくなり、ある種のパニック状態に陥ります。そうなると余計に前に進めることができません。
そんなパニック状態を防ぐ、「タスク管理入門」としての手段が、この本で紹介されているノート術になります。
やることを整理する5つのポイント
ポイントは下記5つです。
①ノートに書き出そう
②とにかく細分化しよう
③優先順位を付けよう
④フィードバックの仕組みを作ろう
⑤バッファを作ろう
それでは、それぞれのポイントを詳しくみてみましょう!!
ポイント①「やることノート」に書き出す
本に紹介されているノート術は、実にシンプルな方法です。
「やることをノートにすべて書き出し、終わった順に、赤ペンで丸をつける」(48ページ)
ということにつきます。
具体的には、ノートに日付と番号を付し、やることを書き出します。
左側には朝に書き出したやることで、右側は突発案件等の時に、一旦書き出しておくために確保しておく予備リストとなります。
ポイント②:とにかく細分化しよう
このノート術の一番のポイントは「細分化」にあると理解しています。ノートは35個の項目を作成しますが、本書では「1コマの所要時間は15分」(51ページ)と書いてあります。
つまり、時間のかかるものについては、例えば、(1)〜(5)と書いていくなど、15分毎に細切れにするのです。
30分毎の整理は見たことがありますが、15分というショートタームで整理していくというのは、新しいな、と感じました。
そして、実際何日かやってみると、終わったものを赤ペンで丸を付け、私自身の工夫として、終わったら線も引いているのですが、それをすることで達成感が味わえるので、このレベルの細分化の良さを実感しているところです。
ポイント③:優先順位付け
ノートにやることをすべて書き出していると、徐々に優先順位付けも上手になってくるようです。
そうなってくると、
・仕事を断ることができる
・「自分がやらなくてもいい仕事」がわかる
などのメリットがあるということが紹介されていました。
仕事を断ることができるというのは、自分の能力が理解できるようになってくることから出てくる副産物になります。
また、自分がやらない仕事、つまり他人に任せる仕事についても同様ですが、「これは自分がやらなくてもいいな」と思えるようになってくる、ということでした。
自分ですべてやることは出来ないので、どこかで他人の協力が必要ですが、その分水嶺を見分けるのはなかなか難しいものです。書き出すことで、そうしたことを考えることにエネルギーが振り分けられるので、徐々に優先順位付けも上手になってきます。
ポイント④:フィードバックの仕組み
先ほど、終わったものに赤マルということはお伝えしましたが、当然ながら書いたことを最初から全部終わらせることは難しいです。
その際の振り返りとして用いるのが、「屈辱の青マル」です。ネーミングもなかなか興味深いですが、できなかったことを、「出来なかった」としてしっかりマーキングすることが大切だということです。
こうして、自分で振り返りつつ、段々と青マルを減らしていき、赤マルを増やしていくゲームのように取り組んでいくことで、ノート術が身についてくるということでした。
「見える化して、反省する」というプロセスをすることで、適切なフィードバックが出来、出来なさを憂うようなことも少ないのかな、と考えています。
ポイント⑤:バッファの大切さ
時間管理術系の本を見ると必ず書いてありますが、バッファを持っておくことが大切です。
具体的には、
「4コマ分のバッファをつくる」(58ページ)
と書いてありました。
個人的に、週単位で、例えば、日曜終日がバッファという考え方があまり合わないので、1日あたりで考えるのがいいんだな、と思いました。
もちろん週あたりで収支を合わせる意味でのバッファもあった方がいいとは思いますが、想定よりも色々な割り込み案件があるので、週も日も月も、あらゆるところにバッファを仕組みとして入れておくことが物事の成功の秘訣だと考えています。
編集後記
本は、図解や写真の部分もありますが、基本的には文字情報で読者に伝えなくてはいけません。特にビジネス書においては、ただ読んでもらうことに加えて、そこに記載してあるノウハウを実行していくことが肝要です。
その点で、網羅的に記載されているものの、ノウハウが多すぎたり、手順が多かったりして、実行がなかなか難しい本が多いです。
しかし、この本は、実にシンプルなやり方で、ある日の夜寝る前に読むと、その次の日の仕事から使える手法です。