「姿勢力−からだとこころの「ストレス」が消える−」(高橋伴和著)〜「自然治癒力」という人間の力を最大限に活かすために〜

身体のどこかに「コリ」がありませんでしょうか。「都度マッサージしても治らない」という方も多いと思います。やはり対処療法には限界もあります。

そんな、「コリ」がある際の根本療法のやり方が書いてある本がここにありました。

はじめに

この本は、「高橋治療院」に通っていることから、高橋先生の考え方を知りたいと思い、手に取った本です。

正直、この本に書いてある内容は、「耳の痛い話」ばかりです。現代人としての生活をしていれば、ほとんどの人が「身体に悪いこと」をしていることになります。

しかし、こうした現実に向き合うことで、「気づき」が得られ、身体も心も健康に生きる第一歩が歩めるようにも思います。書いてあることは「思い返すと当たり前」のことではあるのですが、無意識に身体に良くない行動を取っている可能性があり、それに気づいていない可能性もあります。

身体にとっての「三大悪」

まず、身体に良くない「三大悪」について本書では紹介があります。

それが、

①悪い姿勢

②過労や長時間のPC作業などによる脳のoverwork

③悩みに起因する心のモヤモヤ

の3つです。それぞれ後に詳しく述べていこうとは思いますが、これだけ見ると、「ま、そりゃそうだよな」という感じだと思います。

しかし、詳細の説明を読めば読みほど、当たり前のことを守れていない自分に気づき始めるから不思議です。

肩型と腰型

三大悪に入る前に、「身体の不調を知らせる型が2つある」と高橋先生はおっしゃっています。

1つが、肩型で、もう1つが腰型です。

肩型は、肩こりが酷くなる型です。この型は、痛みに敏感なので、すぐに身体に現れます。肩こりはそれなりにしんどいです。他方で、シグナルが早めに来ることから、大きな症状になることを事前に防いでくれてもいます。

腰型は、腰を痛めたりすることが多い型です。痛みに耐える耐性が強く、普段の生活上、肩こりに悩まされたりすることはほとんどありません。しかし、耐性を上回る負荷がかかると、ヘルニアのような腰痛であったり、かなり重い症状として現れてきます。

私は、明らかに肩型で、度々肩こりに悩まされてきました。

一見すると、腰型はあまり痛みなくいいな、と思いましたが、確かに、痛みがすぐ来るので、大怪我を負うリスクが低いという点は確かに、と思うと同時に、「急にぎっくり腰になり2日間ほど動けなくなった知人」など卑近な例を思い出しつつ、シグナルをしっかり発してくれる自分の身体に感謝して生きないとな、と考え方を改めるようになりました。

①悪い姿勢

ここから、「三大悪」について述べていきます。

よく、「猫背」はよくないと言われます。本書では、猫背のどこがよくないかについて分かりやすく指摘しています。本当に耳の痛いことばかりですが、振り返ります。

まず、猫背といっても、色々な悪影響を及ぼします。

「例えば、腰を丸めると腰痛の原因になり、背中を丸めると呼吸が浅くなり、下を向くと肩こりの原因になります。」(63ページ)

と、本当によくないことが分かります。琴線に触れるポイントは人によって違うとは思いますが、私は、「下を向くと肩こりの原因に」というところが一番響きました。よく振り返ってみると、作業に熱中している時などは、猫背でありながら、一番ひどいのは首を折り曲げて下を向いている点にあることに気づきました。

そして、私が幼い頃から肩こりに悩んでいた原因も分かりました。私は習い事の1つとして、算盤をやっていたのですが、特に算盤を弾いている時に、かなり下を向いた姿勢でやっていたのです。今考えると、首のところに付くようなレベルで首を折ってやっていました。「なんか肩こりやすいな〜」などとぼんやり思っていましたが、理由がはっきりして安心しました。

これも、上記「肩型と腰型」の話で、自分が肩型にあると分かって気づいたこともありますが、この記載により、私の姿勢の悪い部分について指摘いただきました。

その上で、先生はこんなことをおっしゃっています。

「確かに、良い姿勢は面倒くさいかもしれません。」

そうなのです。別に良い姿勢が身体にいいのはわかっているのですが、悪い姿勢が変に染み付いているため、「面倒くさい」のです。心情を言い当てられたような気持ちになります。

では悪い姿勢を取るといいという訳では決してありません。その「悪い」という点について、身体は実はメッセージをしっかり発しています。それが、

「しかし、10分もすると腰や肩が痛くなり無意識に姿勢を変えています。つまり、身体は苦痛なのです。」

ということです。思い返すと確かに例えば足を組む姿勢を続けていると、ずっと続けていることが出来ていません。「なるほど、これが身体からの合図なんだ」と気づかされました。

更にこんな指摘もありました。

「猫背の姿勢は…呼吸が浅くなり、酸素の取り入れが悪くなるので、マイナス思考になりがち。」

最近は大丈夫なのですが、前はかなり自覚的にネガティブ思考でした。これは下を向きすぎていた影響が大きいと思います。肺への酸素の取り入れという視点で姿勢を考えたことすらなかったので、ここも新たな視点をいただいたところです。

②過労や長時間のPC作業などによる脳のoverwork

これはほとんどの事務職が陥っているように思います。また、職業に関係なく、今は多くの時間をスマホを触って生活している人も多く、それがかなり悪影響を与えています。

これに対する当然の方法が、

「可能な限りパソコン作業の時間を減らす」「作業を50分したら休憩を10分」(108ページ)

です。それはそうなのですが、今だとPCもですが、特にスマホは意識するだけで相当の時間を減らすことができると思います。

そして、ワンポイントアドバイスとして、

「脳を急速に休める方法として、光と音を遮断します。具体的には、アイマスクと耳栓です。(中略)光と音を断ち、数分間何も考えずにいるだけで脳の疲れが取れます。」

という記載がありました。これは案外簡単で役立ちます。私自身は音の遮断はイアフォンをしているだけですが、特にアイマスクによる光の遮断は、休憩後にちょっとスッキリした気分にすらなるので、オススメです。

③悩みに起因する心のモヤモヤ

「心と身体は密接に関係している。」とよく言われていますが、それを否定したい自分もいます。ですが、これは正しいそうです。

悲しい記載がありました。

「こころに起因するコリで特徴的なのは、いくらからだをゆるめても、悩みやストレスについて考えた瞬間にコリが発生することです。」(70ページ)

にわかに信じたくないですが、嫌いな人がいるとして、その人のことを想起するだけで痛みが復活してしまったという症例もあるそうです。

分かってはいるのですが、本当に、心と身体は繋がっているんだな、と改めて実感します。

侮れない人間の自然治癒力

高橋治療院の治療は、人間の自然治癒力を最大限活用する手法ですが、この考え方は、

「自分のからだとこころの不具合を治せるのは、自分自身しかいない」(36ページ)

という基本に基づいています。そして、不具合を治すのに必要なことが「気づき」だそうです。「コリ」の原因が分かり、それを改善するようにすればいい、と先生は指摘しています。

「大事なのは、からだの声を小さな「ささやき」の段階から聞き取り、その痛みをもたらした生活習慣が何であるかを突き止めて改善すること。悲鳴になるまで聞こえないようにしてはダメだということです。」(183ページ)

読むだけでも耳が痛すぎる指摘です。本来、「ささやき」の段階から聞き取れるように人間の構造はできているはずです。しかし、この「ささやき」を無視したり、その「痛み」の原因を考えないので、痛い目を見るということです。「ガチガチになっちゃってますねー」と高橋先生に指摘されたのを思い出します。

そして、原因を突き止めることは大切なのですが、「ささやき」を聞きとる方はコツがあるそうで、それは、

「自分の頭のなかを静かに保つこと」

だそうです。パッと考えただけでこれまでの自分が出来ていないことが分かります。

例えば、近年禅やマインドフルネスが流行しており、これはスティーブ・ジョブズら著名人がやっている影響もあるのかもしれませんが、現代人が「心が疲れている」ことの現れではないかと思うようになってきました。

禅などは、例えば30分間何も考えないなど、「時間の無駄」と思っていた節が自分の中であったのですが、こうした活動をすることの意味がようやく自分の中で腑に落ちるようになってきました。

ワンポイントアドバイス

これまで述べたような、ほとんど全ての事例にあてはまるような手痛いご指摘もありつつ、細かい部分についても、アドバイスをされています。

筋トレについて

私は、割とすぐに肩が凝る人間なので、ためになるアドバイスでした。

「もし、休みたくなくてどうしてもトレーニングがしたいなら、(中略)上半身の悪い人は、スクワットなど下半身のトレーニングだけをしてください。」(132ページ)

私自身はゴリゴリ上半身を鍛えていて、そのために、筋トレした後、肩こりが生じ、これが筋トレ由来か生活由来かが分からなくなっていました。

そして、多分それは両方に起因していることが分かりました。だから、無理しないということですね。

口内炎

身体が疲れていたら、しっかり休めば回復します。しかし、「休もう」というサインは意外なところ、そして、無視しがちなところからやってきます。そのサインの一つが口内炎であるそうです。私の中ではかなり驚きでしたので、少し長めに引用します。

「口内炎ができたら免疫力が低下している証拠なので、軽視してはいけません。疲労やストレスがかかると、粘膜が荒れて腫瘍ができ、口の中が増殖して口内炎を起こすのです。すぐにからだを休ませてあげる必要があります。」(145ページ)

小さい頃、肩こりに悩まされていたと同時に、よく口内炎ができていました。その時は、「栄養を取ろう」「野菜食べないとな」などと考えていたのですが、根元となる問題は食べ物だけではなかったことが分かります。

自分がかつて口内炎を軽視していたことが問題であったことが分かりました。記憶が曖昧ですが、その後に酷い肩こりに悩まされたような気がします。

幸い、ここ最近は出来ていませんが、たまにできる時はあるので、その時は、「あ、シグナルだ」と気づき、その原因を考える機会にしたいと思います。

おわりに

非常に学びの多い1冊でした。なお、「頑張る」ということについても、先生は警鐘を鳴らしており、その対応として、

「からだの本能に従うのです。「食べたいときは食べる」「寝たいときは寝る」など、自分のしたいようにすればいいのです。」(85ページ)

といったことも述べられていました。健康の部分は気にしすぎると対策に際限がなくなってしまいますが、ある程度はしっかりと腰を据えて考えた方がいいな、と強く思うきっかけとなった本でした。

本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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