「勝間式超コントロール思考」(勝間和代著)【書評】〜ライフ全体を考える上での「コントロール」思考〜

「超コントロール思考」は人生に通底する考え方でした。

尖った部分や厳しい指摘をした部分もなきにしもあらずですが、総論的な考え方の部分で、特に「学び」の多い本でした。

はじめに

私は、ここ最近、本を購入する時はもっぱらAmazonで購入します。理由は明確で便利だからです。「お急ぎ便」を活用する前までは、Amazonで注文しても届くまでに時間がかかるので、その間に購入時の情熱が冷めてしまう事から、本屋に行く事が多かったのですが、「お急ぎ便」で少なくとも翌日には届くし、何より他の方とお会いしている時に紹介された本をその場で購入手続きできるところが大きいです。

しかし、この本は随分久しぶりに本屋で手に取ってみて、購入を決めた本です。私は、最近、「時間管理」に意識を高めていますが、パラパラと本をめくって眺めた時に、「この本にヒントがあるかも」と直感的に思ったため購入しました。

当初の目的に係る記載もありましたが、本書の主眼はもっとマクロな視点にあり、「人生観」を学びました。各論で「私はここまではやる気ない」と思う事はありましたが、総論的には著者の考え方で自分も考えてきたので、その自分の中の確信を深化させる事ができました。

超コントロール思考とは

本書のタイトルとなっている「超コントロール思考」ですが、全く聞きなれない言葉ではありますが、勝間さんによれば、

「自分も他人も大事にしつつ、時間やお金を効率的に使いながら、自分のイメージ通りに物事を進める方法」(2ページ)

であるそうです。

この方法は、「自分と相手の裁量権を見極め、お互いによりよい結果を生み出そうとする」ことと言い換えられるのですが、裁量権を見極めて判断するというところがいいですね。コントロールという名前は、身勝手さも感じるものではありますが、このような定義づけがされると、誤解も減ってくるかと思います。

その思考を持つに至った経緯も記載があり、

「自分である程度、状況や時間をコントロールできる状態を保っておかないと、不安にかられて不安定になってしまう」(7ページ)

ことに原因があるそうです。勝間さんはどうも精神安定性が低いことが原因なのですが、私自身も、ストレングスファインダーで「慎重さ」が上位にあるように、パッと思いつくがままには行動しにくい人間で、あらゆることを不安に感じやすい性格なので、この考えはいいなあ、と直感的に思いました。

得意を生かす

この本のスタンスとして、弱点克服より長所進展を目指そうというスタンスです。

この記載がそれを物語っています。

「「人並みにできる」だけでは、残念ながらビジネスにおいて重宝されないうえ、大したお金にはなりません。」(20ページ)

得意なことに注力するために「コントロール」が大切だと説いており、仕事の領域・環境を整え、仕事内容をデザインすることが大切と主張されています。

無理せず、得意で勝負することができる方法ということです。

人間関係の鉄則

人間関係は一見難しそうに見えるのですが、法則化すれば割とシンプルな表現にまとめられそうです。

「・心から信頼している相手に対しては、感謝し、しっかりとそのことを言葉や行動で伝え続ける

・不快だと思っている相手に対しては、自分の要望をしっかりと伝えて、もしその要望が受け入れられない場合には静かに距離を取る」(28ページ)

ということでした。「静かに距離を取る」というリアルな表現がいいですね。距離感が人間関係にとって大切なようです。そして、信頼している相手には、信頼していることを言葉・行動で伝えることも重要性もはっきり認識しました。

距離感が大切であることは、下記の記載からも分かります。既にある程度やってはいますが、こっそり距離を取っておこうと思いました。正に「親しき仲にも礼儀あり」ですね。

「近しい関係であるほど「どのくらいまで距離を取れば相手に優しくできるのか」ということについて考え、その距離感においてのみ、相手に優しくする」(31ページ)

「ネガティブ思考」から「コントロール思考」へ

勝間さんによれば「分かりにくい」「面倒臭い」と言ったネガティブ感情は、コントロール思考を動かすスイッチとして機能するとのことです。

その際に、なぜそのような思いを抱いたのか、その感情をなくすにはどうしたら良いかという方法を考えること、そして、そうした選択肢を考えた上で、自分のイメージ通りにコントロールできるようになるまで、一つずつ、成功の可能性の高い選択肢から試していくことが肝要であるそうです。

現に、本の中では、結構勝間さんが試行錯誤しておられる様子が描写されます。ネガティブ感情は、排除するのではなく、感情が湧いた時をスイッチとして考え始めること。その上で試行錯誤に入っていくこと。

最後は、色々と試してみるという行動が必要ではありますが、まずはネガティブ感情を感じたらチャンスと思う、ということは意識して良いと思いました。

各論

仕事、健康、人間関係等、各論に別れて、それぞれ記載されていくのですが、それぞれに概ね共通的に書かれているのが、「余裕率」という表現です。

個人的には、「バッファー」という言葉をしばしば使用しますが、物事にはバッファーを取り込んで考えた方がいいことが所々で記載されています。

そして、その余裕率は、2〜3割であるそうです。多くの場合、「バッファー」というと、「余りを多少残しておく」というイメージですが、2〜3割だと、割としっかり残している印象です。しっかりと余裕を持つことが重要だと学びました。

①雑談力

ここまで「コントロール」を主張する著者にとって「雑談」という言葉は似合わない気がしますが、雑談の重要性を本書ではしっかり強調されています。

「常日頃、自分が興味のあることやコントロールがうまくいかない悩みについて、いろいろな場面で言い続けていると、それについて詳しい人たちが現れて教えてくれる」(87ページ)

ことであるそうです。というのも、人間には、生まれながらにして、「人に教わりたい」という欲と、「人に教えたい」という気持ちとが共存しているようです。

この欲の併存はよく分かりませんが、確かに私自身も両方の欲があります。ただ、私は、これまでは「人から教わる」が特に苦手だったので、そこは、「雑談力」を鍛えようと思いました。

そして、鍛え方は上記の通り、悩みを「いろいろな場面で言い続けること」です。「言い続ける」ということが案外大切であることを最近心から実感しています。

②仕事

仕事のやり方関係についても、「コントロール術」がございました。

以下に大きく2点紹介致します。

移動

移動時間というのは大変厄介で、「仕事のために移動している」という事実だけで仕事した気になる、という指摘が響きました。

私自身移動が結構多いので、確かに、移動するだけで結構疲れることもあり、「仕事した感」を感じるのは事実です。確かに直接会う必要性については、特に遠くの場合は深く吟味する必要があるな、と思いました。

会議が必要な時は、インターネット会議で良く、それでも直接会いたいと考えるのは、

「言語能力の不足」(103ページ)

と厳しく断じていました。

ただ、ここは内容によるとは個人的には思います。例えば、営業など、直接会うことで人間関係を構築しながら契約を取るところまでは対面の方がいいと思いますが、そこから契約の細かい詰めはネットでも可能だと思いますし、要すれば業務による使い分けが重要だと思います。

ネット時代だからこそ、直接の出会いも大切にしたいな、と思うところです。

テクノロジー

この本の所々に出てくるのですが、勝間さんは、PCなどガジェット類の独自の工夫を多くしています。

音楽を常に聞く、ディスプレーを役割の数持つなど、結構独自の習慣も多いです。200ギガのSIMカードを使っている話などは、コストカットにかける高い意識を目の当たりにしたような気持ちになりました。

ここで思ったのは、「自分のこだわりの空間を作る」ことに対し、常に試行錯誤されており、環境のコントロールを意識されているな、ということでした。

音楽配信サービスSportifyの活用などは、すぐ私も試してみて、快適さを実感しました。制約条件があるものもあるとは思いますが、小ネタも豊富な同署なので、試してみると良いと思います。

③健康

健康については、「自分でコントロールできる部分が多い」としており、本書の中でも勝間さんの熱量を感じる章になっています。

本の中で、結構好きな言葉です。

「健康をコントロールするということは、健康に影響する変数のうち、自分ができることについてなるべく事前につぶしておく」(188ページ)

健康を考えるといっても、最後100%防ぐのは不可能では…という疑念を抱いた時に、この言葉を頭に入れておくと楽になります。「事前につぶす」という考え方もあまり健康には使わない表現なので、驚きもあり、感銘しました。

そして、健康面の原則は、「意志を必要とする環境を作らない」ことであるそうです。特に健康は無意識で健康に悪いことをしてしまうので、環境作りの方に注力せよ、と助言いただきました。

アルコール

アルコールに関しては、勝間さんは大胆な決断をしました。「アルコールを飲まない」という選択をされたそうです。

「わたしたちがアルコールをコントロールするのは、脳の構造上不可能なことです。」(274ページ)

ということで、

「娯楽の中からアルコールを追い出してみて欲しい」というメッセージを残されていました。

いきなりアルコールを全て追い出すことは難しいとは思いますが、確かに、「アルコールのコントロール」なんて無理な話である、というのは激しく同意です。量もそうですが、まずは頻度を減らして行こうと思います。

歯医者

勝間さんは1ヶ月に1回、歯の定期検診とクリーニングに行っておられるそうです。その時点で結構頻繁に歯医者に行かれている印象ですが、「予防医療」の話になり、特に歯は一度やってしまうと元には戻りきれなくなってしまうので、早めの健診を心がけようと思いました。

リスクが大きいので、早めの対処が痛いほど重であることを認識しました。

おわりに

この他にも、同書は名言のオンパレードでした。

人間関係では、このくらいの境地に至れるよう、giveを意識した生活を送れればと思います。

「やって当たり前の歯磨きのようなイメージで親切を行なっていると、特別なことではなくなって、別に返礼があろうがなかろうが、余り気にならなくなりますし、親切にしたこと自体忘れてしまいます。」(194ページ)

本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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