「Google AdSense マネタイズの教科書」というタイトルではありますが、「サイトの継続性」に力を入れて書かれた本であり、「稼ぐこと」を全面に押し出した本ではありません。
この「継続性」という面が印象に残ったので、「マネタイズ」という本の題名には即していない面をご紹介していきます。
はじめに
Google AdSenseについては、全くもって素人なのですが、この「教科書」を推す声を所々で聞いたりしたため、手にとって実際に読んでみました。
実際、AdSenseについて詳細に書いた第4章などは、私のような初心者にとっては難しかったのですが、全体的に見れば、「サイト構築」という観点で非常にためになる本でした。
ユーザーの獲得のために
ブログといえば、最初は、「自分の書きたいことを書く」ということではあるとは思いますが、当然ながら、時間をかけて書いた記事は読まれた方が嬉しいです。
そのために重要なことが、「リピーター」の獲得です。
「リピーターとは、検索からではなく、パソコンやスマホのブックマークから来る、いってみればあなたのサイトのファンのことです。」(44ページ)
リピーターがいないと、アクセスアップのために、「評価が下がっている記事をリライト」や「アクセスが減る以上にアクセスを増やせる新規記事」を書き続けるしかありません。こうしたことも大事であるとしつつ、新規記事や既存記事のリライトをし続けなくとも持続性のあるサイト構築をしていこう、という話がまずありました。
検索される記事に
記事を見てもらうためには、検索からの流入も大切ですが、検索流入のためには、「検索した時に上位に出てくる」ことが必要です。
そして、本書の記載によれば、「上位5位までのサイトがユーザーの70%を占めている」ようです。
さらに、表をよく見ると、上位3位までに入らないと検索率はかなり少ないものであることが分かります。
そうであれば、検索結果が1頁目に出てくるだけでなく、上位3位以内に入ることが必要です。1頁目に出てくることは、キーワードの問題もあるそうですが、3位以内だとサイトに入った後のユーザー行動も見ている可能性があると筆者は示唆していました。
そうした指摘を経た上で、具体的な手法に移ると、まず、検索結果を1頁目に出していくために必要なことが、
「ページタイトルには質問だけでなく、答えも含ませる」(61ページ)
ことだそうです。よくまとめサイトの記載で見ますが、「美味しいラーメン屋紹介」よりも「おすすめラーメン屋10選」の方がSEO効果が高いそうです。ただし、タイトルは簡潔に記載することも大切とも言っていますので、そのバランスが一筋縄ではいかないところです。
そして、SEOという観点でいえば、ユーザーだけでなく、機械への対応も必要なので、「指示語は使わない。」というアドバイスもありました。実際、アルゴリズムへの対応も大切な側面ではあるようですので、こういう細かいところも意識していく必要がありそうです。
その上で、上位を狙っていくのは、ユーザーのエクスペリエンスを高めることが必要とのことでした。
そのためのアドバイスが、「記事内容は結論先行で、第一印象で瞬時に訪問者に伝えるようにする」ということでした。日本語は特に結論が後出しになりがちなので、留意する必要があります。意識しないとやってしまいますが、書き出しが大切であるとのこと。
その心は、「読み流しに対応できるように」ということでした。スマポでサイトが見られることも多いことから、最初の画面をパッと見たときにおおよそ言いたいことが分かるようにせよ、ということでした。
その他、検索のキーワードについては、ユーザーの立場に立って、自分の頭で考えることが大切であり、頭で考えることで、意外な穴場となるキーワードが見つかることがある、ということでした。もちろん、このアドバイスはSearch console等を使って調べた上で、ということになりますが、機械的に調べた上で、最後は自分の頭で考えることが重要なのかな、と考えています。
テーマ作りの大切さ
この本を読んで強く印象に残ったことは、「テーマ作り」の大切さについてです。ブログ等を通じた情報発信とはいえ、何かテーマがあると強いのですが、そのテーマについて、しっかり学習せよ、とのメッセージが込められていました。
「選んだテーマについて誰にも負けないほどの知識を身につけるつもりで、徹底的に勉強しましょう。サイトを作りはじめるまでに、そのテーマで1冊の本を書けるほどの知識と経験が身についていれば完璧です。」(85ページ)
具体的には、専門書を読むとか、資格・技術の習得とか、スクールに通うことや、現地に足を運ぶことを推奨していましたが、最初から本1冊レベルまで高めておくことの大切さを実感しました。
また、テーマ構成の仕方として、「完結型」の紹介がありました。最初に完成形が描かれており、そこに枝葉となるコンテンツを作成していく型です。日々の積み重ねも大切であるとは思いつつも、確かにゴールから逆算して作っていった方が、全体の構成が美しくなるな、とは思うところであり、他方で、成長は徐々にしていくものでもあるので、バランスを取ってサイト構築していくことがいいのかな、と思ったところです。
ユーザーフレンドリーな構成を
「エクスペリエンスを大切にすること」という形で、この本では度々記載されているのですが、ブログに入った時に、色々なところに入っていきやすいような構成、つまり、ユーザーフレンドリーな構成にするのが大切だ、ということでした。
記事でいえば適切にリンクが貼られていたり、検索して調べるのにも役立つサイトであったりすると益々良いそうです。
ウェブで検索していると、「見やすい」「見にくい」を感じますが、自分が記事を作成したりしていると、あまりそうした視点では見ていないことに気づきました。
おわりに
本書は終始、様々な具体的アドバイスの山で、対象は初〜中級者ということではありましたが、中級者に役立つアドバイスが多かった気がします。
とはいえ、本書でも強調していたのが、「数字に躍らされない」ということでした。また、「サイトを完成させるコツは、最初の3〜6か月までに記事を集中して入れること。コンテンツの狙ったキーワードが上位に表示されるまでには、最低でも半年〜1年以上かかる。」という記載もあり、数字はあまり気にしすぎてはいけないことが再三強調されていました。
そうなると、今の自分はまず記事入れが大切であり、徐々に、PDCAのCを入れ込んでいくこと大切なのかな、と受け取りました。