1年間のプランニングが完成したら、その具体的な達成のための指標を設けていきます。
この年間目標シートから、「プロジェクト化」という形で、「1年でやること」の具体化が図られていきます。管理も含めた具体論は、次の「ガントチャート」ですが、今回はその前段の前段としての総論になります。
具体的にやることを選択する
この前に、1年間のプランニングをしましたが、これでもまだプランの抽象度が高く、「実際にすること」までのブレイクダウンが出来てはいません。
ここで、選んだ柱からの更なる具体化を図ります。柱を立てた中でも、特に重点項目、「プロジェクト化して達成したいこと」を書いていきます。
そのため、ここで記載されることは、「プロジェクト」として今年1年重点を置くことということになります。
最終目標
一番左の箇所には、「最終目標」を記載します。特に力を入れ、プロジェクト化する案件について、それを達成するとはどういうことかを記載します。
右隣の欄に「ワクワクイメージ」があるので、こちらの欄ではあ、できるだけ定量的に、具体的に書くことが大切です。
ワクワクイメージ
最終目標から一個右に移ると、「ワクワクイメージ」という箇所があります。そこでは、達成感を先取りして書きます。
定性的で全く問題なく、目標を達成した場合に他者がどのように言うのかを想像したり、自分の中で感じることがこう変わっていくことを想像して書いておきます。
この箇所を見ることで、「今年はこれを頑張るんだ」と見返し、自分に気合を入れ直すことができるような記載となるといい感じです。
マイルストーン
右ページに移ると、「マイルストーン」という言葉の箇所があります。
ここが難しいのですが、目標を達成するまでに必要なことを書き、それぞれに合計100点から点数を振っていきます。
ここあたりから「計画の実行」に向けたフェーズも含まれるようになってきます。これで点数をつけて、下にある進捗バーに色を塗っていくことで、実行管理がはるかに簡易になります。
そして、仮に途中で見返した時に、進捗が止まっているように見えても、この進捗バーを見ることで、「でも30%は進捗している」などとして、自分を鼓舞することができます。
ポイントは、最初の一歩の行動に多めに点を振ることと、「行動目標」と「結果目標」を織り交ぜることです。
最初の一歩の行動に点を振ることで、点数が入るので、プロジェクトを進める気が湧いてくるそうです。
そして、「行動目標」と「結果目標」については、例えば、ダイエットが分かりやすいと思いますが、「体重を59キロ台にしたい」というのが「結果目標」であり、そのために「ジムに入会する」が「行動目標」です。行動目標の方は行動すれば点が入る点が異なる点です。そして、マイルストーン決めについては、ちゃんと「行動目標」を定めることも、目標達成のために、淡々と実践を続けると言う観点で大切であるとのことでした。
そして、「振る点数で悩まない」というのもありがたいアドバイスでした。点数は進捗で自分を鼓舞するためなので、点数自体の重要性はそこまで高くないのです。そのため、「そんなに考え込むようなら適当でいいよ」というアドバイスはかなり自分の中の気持ちが楽になります。
達成度
そして、シートの一番右側は「達成度合」を書いていくものです。都度達成したことを書いていくようなイメージです。
ここをしっかり書いていくことで、年末に振り返る時に、より丁寧な振り返りができるようになります。
目標設定のコツ2点
そうは言っても、目標をむやみに設定すると上手くいかないことから、設定にあたりアドバイスを2つもらいました。
1つは、「できそう」と思える目標を設定しておくことであるとのことでした。これは、「達成癖」を付け、「やればできる」という自信を育てることにその根拠があります。
そして、もう1つは、1つ目と反対のことですが、「難しそうだけど、チャレンジしたい」と思う目標も設定しておくということも他方で大切だということでした。こちらについては、逆に簡単なことばかりでも面白くはないので、やりがいも追求することも大切である、という事でした。
総括的に言えば、「自尊心を高めながら難しいことをやる」ということが大切であるということです。自分はといえば、「自尊心を高めながら」の部分の方が苦手分野なので、目標設定の時、かなり意識しました。
目標設定SMARTの法則
逆算手帳では、目標設定の際に大切なことを述べています。これをSMARTの法則といい、この5つのことを指します。
S→Simple(単純で分かりやすい)
M→Measureable(測定可能)
A→Attractive(魅力的である)
R→Related(夢に繋がっている)
T→Time-limit(期限が明確になっている)
これだけ見ると一般的な法則のように見えるのですが、これを頭の片隅に置きながら作業していくと、この5要素の大切さが段々と分かってきます。
SMAについては、目標設定の時に一般的に大切にすべきことです。ただ、「魅力的である」ということはあまり言われていないとは思います。
そして、逆算手帳を散々設計の時に意識して作っているな、と思う点が、RTのところです。作成する全てのシートはビジョンに向けて全て連関する作りになっていますし、「10年」「1年」などと、期限は明確に区切られて作る仕組みづくりがされています。
手順に従って作業すればこの5要素を満たす形で設計はされているのですが、これを意識することで、更に逆算手帳の良さを認識しながら作業ができるので、楽しく作業ができるようになると思います。
1ポイントアドバイス
なお、この列ですが、年初の段階で6つ書いてしまうと、なかなか6個を意識し続けることは難しいので、最初は、2〜3個書いて、3月と7月くらいに書き足したり、見直したりすることがいいそうです。
確かに、この欄くらいから、定期的な見直しが大切になってくるな、というのは直感的に分かってきます。
結局私自身は5個年初に書いてしまっていますが、レビューやあと1個の追記を春か夏のタイミングでできればな、と思っているところです。
おわりに
制度設計の大切さを本当に感じさせます。如何にして、「頑張ればできる」と自分が思えるようにするか。そして、実行をどうやり、続けるための工夫を予め仕込んでおく。
「プロジェクトマネジメント」の本で、半分以上が準備について書かれていたことから、「準備」の大切さは身に染みて分かっていたつもりなのですが、本当に、準備がほとんどですね。
ここまでで、逆算手帳のセミナーでいう、A〜Dまでの講座のBのところまでが終了しました。
そして、Cの講座が難関の「ガントチャート」の話になっていきます。ここは逆算手帳の開発者のコボリさんが先行し過ぎていて、一般化するために補足シートを作成したりしているような場面で、難解です。