フェルメール展@上野の森美術館【鑑賞・所感】〜17世紀のオランダの画家と共に〜

美術とかイマジネーションに関わる分野は素人ではありますが、アイデア力・想像力を鍛えていくためにはそうした分野に積極的に関わることが必要かな、と最近強く感じています。

今回、2018年10月5日(金)〜2019年2月3日(日)まで上野の森美術館でやっているフェルメール展にお邪魔してみました。

はじめに

私は論理で考える傾向(いわゆる左脳型)が強いと認識しており、論理的に考えがちではあるのですが、アイデアを生み出し、柔軟性を持った考えを持っていくためには、いわゆる「右脳開発」といいますか、イマジネーションの部分を開拓していくことが大切だな、という仮定を起きました。

そのため、2019年は、美術・芸術の分野にも顔を出してみたいと思います。2ヶ月に1回美術館に行くという個人的目標も立てました。

さて、そんな2019年最初に行った美術館がこのフェルメール展です。

実は、事前券で2,500円という高めの値段設定に足が遠のいていたのですが、トータルで考えた時に、値段はそこまで高くはなく感じるということと、日時指定入場制だからこそ、入館時間をうまく考えれば、かなり楽しめることを知りました。

入館までの手続き

まず、このフェルメール展について、入館するには、事前にチケット購入が必要です。

フジテレビダイレクトか、チケットぴあから購入可能であるようです。

事前購入を原則としてはいますが、別にチケット購入せずとも当日券が2,700円と200円アップで購入できるのですが、購入するために列が出来ていました。さすがにチケットを買うのに並ぶのは時間がもったいないので、事前に済ませておいた方がいいと思います。

購入するには、私はチケットぴあを利用しましたが、指定の日時を選択し、個人情報を入力し、入金すると、チケットが発券されるのですが、この正式の発券のために、セブンイレブンのレジにお願いしないといけません。レジに発券してもらうのが少し面倒でした。こちらも発券しなくても当日券行列に並べば対応してもらえるそうですが、さすがにそこまで行ったら事前に手続きはしておきたいものです。

何より、少し面倒な手続きだなあ、と思わなくはないのですが、結果的にすぐ入れるのがいいです。

日時指定入場制

これは、待ち時間を緩和するために、基本的に事前にチケットを購入し、1日をいくつかの入場時間枠に区切り、入場者数を調整する方式です。

今回は、1日に6つの区分でされていました。

今回体感してみて感じたメリデリは以下の通り。

メリット

・美術館内の混雑度合いの緩和

・事前購入が原則なのでチケット購入のための大行列に並ぶ必要がない

・指定の時間ギリギリに入るとかなり自由に観覧できる

デメリット

・事前購入の煩雑さがある

・指定時間ジャストに入る人が混雑で損をする

確かに、ネットが発達しているなら、この制度を使った方が混雑は相対的に下がるので、全体の顧客満足度は上がるかな、と思いました。

他方で、予約はそれなりに手間がかかるので、ネットにあまり慣れ親しんでいない方や、アナログで管理を徹底している方にとっては、あまりよくない方式かもしれません。

ただ、今回、フェルメール展を割とスムーズに見れたのは、この方式のお陰だと思うので、総じて考えるとプラスだと思いました。

行くのであれば時間のお尻の方に行きましょう。そして平日に行くことですね。

いざ、入館へ

行くと行列が見えましたが、これは当日券行列でした。そしてそのまますり抜けます。

私は、1時間半ある枠のうち、最後の20分の時に入りました。もう少し遅くてもよかったかもしれません。混雑していないとはいえかなり人はいるのですが、最前列を狙わなければ絵の見える位置で滞在してじっくり見ることのできるレベルなので、満足できるものです。

さて、少し先走ってしまいましたが、入館すると「音声ガイド」が配布されます。

2,500円かかるのですが、これは「音声ガイド付」の値段なので、そこまで高くは感じない、ということです。上野美術館だと、1,500円で見れて、550円で音声ガイドだったりすることが多いので、450円プラスと考えると、「高すぎる」ということではないのかな、という感じです。

しかし、この音声ガイド、如何せん片耳だけです。私の好みの問題かもしれませんが、是非とも両耳にして欲しいな、と思います。

そして、ここはフェルメール展で押されていた点ですが、音声ガイドは「石原さとみさん」です。多分あまり音声ガイド系の仕事をしてこなかったと思いますが、最初の音声が、かなり緊張している様子です。耳に心地よい音楽のような声という訳ではないのですが、「あ、石原さとみが話しているな」ということが分かる声になっています。決して綺麗な声ではないのですが、「聞こう」という気にさせる声という感じですかね。

そんな声を聞きながら絵を見ていると、特段撮影禁止の札とかが見られないので、「撮ってもいいのかなあ」と思って、でも誰も撮ってないのでおそらくダメだろうな、と思って聞いてみると、「撮影禁止です」とのこと。まあ、そうですよね。

序章

ここからは、フェルメール展の詳細説明に入ります。

絵を鑑賞していた時、「フェルメール全然来ないじゃん」と言っている青年男性がいましたが、フェルメールの絵が飾られているのは最後の間だけです。結構広告を打っていた印象なので、そう感じる方もいるのも理解します。

最初に、17世紀、スペインからの独立を果たしたオランダは、海外貿易を始め、成功した裕福な市民が登場してきて、王族階級だけでなく、裕福な市民にも絵画が親しまれるようになってきたこと、そして、日常や風俗画も人気になっていくことの説明を受けました。

1.オランダ人との出会い:肖像画

最初は肖像画コーナーでした。自画像の絵が並んでおり、王侯階級のように裕福な市民が画家に描かせていたようです。

肖像画を描いてもらうことは、一種のステータスの誇示だったのでしょう。

2.遠い昔の物語:神話園と宗教画

オランダ画家たちは、風景画などの描写絵のイメージがありますが、歴史、聖書なども無視してはいないということで、神話等に関する絵がこのコーナーでは展示されていました。

絵を鑑賞するのは知識がいるなあ、と素人の私は見る度に思うのですが、「想像を掻き立てる歴史画」を書いていて、絵の中でストーリーを作っているそうです。

解説を聞いて想像が膨らんできましたが、じっくり見ていくと、「光と陰」「色彩」「身振り」「表情」を確認していくと、絵なので人物は話はしませんが、「誇り」とか「嫌悪感」とか人物から伝わってくるものがありました。

3.戸外の画家たち:風景画

17世紀のオランダの画家は、それぞれの専門分野に沿って遠征し、スケッチブックに写生して、眺めた時の印象で頭をいっぱいにして、アトリエに戻り、想像で絵を完成させていったそうです。

精緻な風景描写で、写真のようなタッチなのですが、想像で風景をマージさせて作成していると聞いて驚きました。作者が、イメージで考え、伝えようとするものを感じ取るのが解釈ということでしょうか。絵の理論家・評論家の方は、どう評価すればいいか、難しいなあ、、なんて考えたりもしていました。

展示していた絵は、一見雑そうに見えるけど、情景を詳細に記載していると私は感じました。全体像はパッと見で分かるのですが、細部に拘っていて、よく見ると人々がそれぞれ異なる表情を浮かべたりしていました。

4.命なきものの美:静物画

人間以外のものの描写に対しては、当時の理論家はあまり評価していなかったそうですが、市民には大人気であったそうです。

風景絵よりも、リアル感が強く、うさぎの狩りの絵は触れることができそうでした。「狩りの獲物の絵は、17世紀の最後10年間で流行した」とのアナウンスもあり、今や歴史的な絵となっているものも、当時の流行り廃りと関係しているんだなあ、と不思議な気持ちになっていました。

5.日々の生活:風俗画

オランダの画家は、常に遠方の風景を描いているだけでなく、日常も描いたそうですが、日常を描く際には、絵にメッセージ性を込めたそうです。

例えば、「本を読む老女」という絵では、聖書読んでいる老婆の絵ですが、「この世の中財産は 貧しきもの達と共有するのが、キリスト教徒の務めである」というメッセージ性を込めているようです。

絵をしっかり見ているはずですが、「なんでそんなのわかるんだ」と普通に思いました。

また、ヤギとハトは欲望を象徴する動物であることから、ヤギやハトが描かれたところにいる男性は移り気な性格であったり、絵から「恋愛には危険が伴うことを知らなければいけない」というメッセージを込めていたり、風俗画のメッセージには色々込められているのを知りました。

メッセージ性は分かりませんでしたが、人物には清々しさというより、どこか陰のある人物が描かれているように感じました。裕福な市民で調子に乗った人の中には、画家への態度があまりよくない者もいたでしょうから、そういった人への暗に伝えるメッセージでもあったのかな、などとイメージを膨らませていました。

6.光と影:フェルメール

ここまでフェルメール作品は全く出てきません。最後にようやくお出ましになられます。

フェルメールは、21歳から絵を描かれ、43歳で亡くなったようです。亡くなるのが早いですね。画家は長生きしつつも苦しんでいるパターンと早逝のパターンをよく見ますね。

当時は全世界的評価ではなかったものの、19世紀に再評価され、世界的認知に至ったそうです。とはいえ、評価されても本人は亡くなっている訳で、これはいいのか悪いのか、なんとも言えないです。少なくとも本人にとっては、あまりよくないことだと思います。

そして、フェルメールの寡作には改めて驚かされます。現存40点弱というのはすごいですね。絵自体は色々描いてはきたと思うのですが、真の完璧主義ということでしょうかね。

そんなことを考えながら、ブースに足を踏み入れると、光の効果もあり、一見して、「すごい!」と思いました。フェルメールの作品は、神々しい感じがしました。

9つ展示がありましたが、特に興味を惹いた2点を紹介します。

「ワイングラス」という作品は、本当に、「優美」で「静か」な作品です。(写真中央下の作品)

ワインを差し出す男性も紳士的で、ワインを飲んでいる女性も気品さを感じさせます。どうも、手綱が「恋の誘惑が危険」というメッセージも伝えている作品であるようなのですが、画の中にセクシーさを感じるけれども、エロさがないという感じでしょうか。とにかく「大人」を感じさせる作品です。

そして、有名な「牛乳を注ぐ女」です。(写真左部)「フェルメールといえばこれ」くらいの作品ですが、実物を見ると、思ったより女性に力強さがあることを感じました。また、「目線を女性と作業に集中させる」ように絵を描いているという音声ガイドの声があった通り、周りには風景も描かれているのですが、この2つに自然にフォーカスしてしまう自分がいて、不思議な感情に囚われました。また、実物の絵は思ったよりヒビ割れがあったりして、そこもまた作品の味わいを深めているように感じました。

何より、「ワイングラス」という作品に魅せられましたね。

おわりに

美術はなかなか難しいですが、刺激になりました。やはり音声ガイド必須ですね。あの解説がないと何がなんだか分かりません。

また、小さい顕微鏡みたいなのもってる人がいました。絵で描いたものの、インクのひび割れとか細かいdetailを観るのに使っているんだと思いますが、深い世界ですね。

なお、2019年現在、国立西洋美術館ではルーベンス展を実施しており、長澤まさみさんが音声ガイドをすると書いてありました。長澤まさみさんは本当に近年マルチに働かれてますね。

そして、ゴッホ展を2019年10月11日〜2020年1月13日でするというポスターも発見しました。楽しみですね。こちらは参戦したいと思います。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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