【書評】「メモの魔力」(前田裕二著)〜アイデアの時代に突入する中で必須のスキルとしてのメモ〜

私は、メモが好きな方で、メモが比較的多い方であるとは思います。

なので他の人がメモを取る様子には関心はあるのですが、そんなメモに関する本が出ました。

そんな本こそ、「メモの魔力」なのですが、本から熱が出ているんじゃないか、と思えるくらい熱い本でした。

実際にカバーを取ってみると、前田さんの手帳で埋め尽くされていました。↓

はじめに

この本の著者は、SHOWROOMの社長で、プライベートでも乗りに乗っているという報道がされている前田裕二さんです。

正直、私はSHOWROOMユーザーではないので、具体的な使い方は分からないのですが、有名な方です。

秋元康さんは、前田さんのことを、「猟師のようだ」と形容し、要すれば複眼的な視野を持っていることを褒めたとのことですが、この本を読むと、前田さんの徹底的な分析力がわかります。

どちらかといえば、「圧倒される」と言った方が正しいかもしれません。特に、自己分析の徹底さは群を抜いていると思います。また、巻末には自己分析1,000問が記載されており、前田さんは就活前にこのレベルでの分析を済ませたそうです。

前田さんが一流かというのは、私には判断する軸がないので分かりませんが、前田さんはこの自分を分析し尽くし、自分の情熱を傾けられる分野を見つけ、のめり込んだということでした。

自己分析を年末にしっかりしたいな、と思っていた折にこの本に出会い、一瞬圧倒されました。ですが私もメモを第二の脳として活用してきたタイプであり、メモはファクト(事実)しかしてきませんでしたが、論理とか分析を武器としたいなと考えていたところだったので、前田さんの考え方が今の私にものすごく参考になりました。

メモによって鍛えられる5つのスキル

本書では、最初にメモの効力・威力について言及されています。記載されていた5つをまとめると以下の通りでした。

①アイデアを生み出せるようになる(知的生産性の向上)

②情報を「素通り」しなくなる(情報獲得の伝導率向上)

③相手の「より深い話」を聞き出せる(傾聴能力の向上)

④話の骨組みがわかるようになる(構造化能力の向上)

⑤曖昧な感覚や概念を言葉にできるようになる(言語化能力の向上)

私は基本的にファクトレベルのメモレベルではありますが、最初から②の力、すなわち、メモをするため、書いてあるので、見返すことでスルーが減ることを感じていました。また、そこから③も言われると確かに、メモを見返しつつさらに思ったことを軽く書き留めながら話すことで、さらに深い話が出るのも分かります。

また、①も理解できます。実際手で書くと、派生的にアイデアが出やすいと思います。しかし、④と⑤はイマイチピンと来ませんでした。メモ取りながら構造化と聞くと、相当高度で、メモを見て、PCだとワードとかでまとめて、といえば分かるのですが、メモを取ると骨組みが分かるというのは相当高度だと思います。

また、⑤も、私はまだまだですし、概念を言葉にする時は、私はじっくり考えています。

こう考えていくと、メモという概念は、ただ、聞き取ったことを記載するという範囲に留まらないことが読み解けてきます。そして、実際に、著者のいう「メモ」は我々一般人が想像している「メモ」から一段階、いや二段階上の概念でした。

メモのやり方

この本のキーメッセージを一言でいえ、となると、ここの部分かと存じます。

「ファクト→抽象化→転用」

「抽象化が大事」「転用が大事」とはよく言われますが、実際に抽象化・転用することが難しいと思っていました。これをメモという身近なツールの中に組み込むという考え方が斬新でした。

実際にそうやって考えるようにすれば、アイデアはどんどん浮かぶであろうことはイメージするだけでも分かります。そして、メモの段階からそこまでしてしまえば、確かに先ほど出てきた「構造化」もメモの中でできます。

イメージはこのような感じです。↓

前田式の詳細な方法は書籍にかなり具体的に書かれています。

ただ、自分に当てはめる時には注意が必要だ、と思いました。理由は単純で、これまでの経験上、4色もの色は使いこなせないからです。また、前田さんは元々ノートを上手く書くことを得意としていた、というのも、そこまで得意ではない私とは異なる点です。あと、単純に字が下手なので、ここまで上手くはいかないと思います。

いずれにせよ、少なくとも色のところは簡略化して、まずはやってみようと思います。

徹底的な自己分析

前田さんは、就職の時に、30冊のノートを使って自己分析をしたようです。それをするに至った考え方が紹介されていました。

「就活生が年間50万人いるとして、その中で「自分のことをよく知っているレース」をしたときに、少なくともトップ1%、5000人の中に本気で入りに行くぞ、という異常な熱量で、自己分析をしました。」(122頁)

私がこれまで視野として見なかったのは、最初の「就活生が50万」とか「トップ1%」とか、数字に基づいて、必要な努力量を逆算する考え方です。しれっと数字を使っていますが、数値から俯瞰的な知識を把握する考え方が肝要なんだなあ、と勉強になりました。

また、私は、「自分のやりたいこと」「今後の方向性」がまだぼんやりとし過ぎていることに悩んでいましたが、その解の1つが本書に書いてありました。

「徹底的に自己分析をすると、次第に自分が持っている「人生の軸」が明確になります。「自分はこういうときに幸せを感じやすいから、こんなゴールを持ったら、すごく楽しくなりそうだ」など、目指すべき方向性を自ら設定できるようになる」(124頁)

・・・だから分析しようね、と言われていきなり1,000問分析は鬼だと思いましたが。。

好きな言葉

この本の中で、好きなフレーズがありますので、紹介させていただきます。

「残念ながら多くの人は天才ではない。(中略)むしろ、天才ではないことを自覚するからこそ、天才たちができないような科学的なアプローチによって、天才と同じ結果を出すのです。」(165頁)

このブログの現在のタイトルにも入れていますが、私は、「雑草魂」という言葉が好きなので、凄く響きました。この言葉は言わずと知れた、レッドソックスなどメジャーを渡り歩いた上原浩治選手の代名詞です。

レッドソックス時代、上原選手は、日本でいう「中継ぎ」というポジションで大活躍しました。

しかし、昔を振り返れば、中学時代は陸上部で、高校時代も2番目投手であったそうです。その後大学を経てプロに入っていますが、上原選手の身体能力は、フィジカルコーチから見たら「並」だそうです。そして、彼自身に球種は多くなく、日本人的な匠的な技がある訳ではありません。かつ、ストレートのスピードが143キロ程度と早くはありません。

にも関わらず、フォークという変化球と、ストレートとのスピード差を生かし、バッターをどんどん三振に打ち取っていました。上原投手は過去のインタビューで、「いかにスピードがあるように「見せるか」」が大事」と言っていましたが、戦い方を考え抜いて世界の場に頭で考え抜いて生き抜く姿勢に感動しました。

自分が天才でないことは分かっているので、科学的アプローチを取る方法が大切で、やることが大切だと強く思っています。

おわりに

こんなに熱量が文面から現れている本は久しぶりに読んだ気がします。まずは単純にお会いしてみたいと思ったのと、前田さんと普通に会話するような人間になりたいな、と思いました。やりたいことが増えました。

とはいえ、巻末の自己分析1,000問は本当に圧倒されます。「徹底的な準備」が大事だ、と言われはしますが、準備の徹底の実物を見させていただいたと思います。圧倒されず、「まあそんなの当たり前だよね」と言えるようになりたいですね。

本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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