難しい本でした。
松岡正剛氏の千夜千冊にて紹介されていたため、読んでみました。
最終的には完読できましたが、購入してから完読するまでに1ヶ月強かかりました。
本書は特段一般読者を想定している訳ではないようなので、難しい内容が多かったです。
本の内容としては、脳と心と身体の関係性について考察した書です。全般に難解な記載でしたが、第7章の理解するとはどういうことか?という章が一番分かりやすく感じました。
読んでいて気になった点が2点ありました。
1点目は、結構哲学からの引用が多かった点です。確かに心とか、意識とかと身体との関係を考えると、近代以降の専門化による分岐の前には哲学の領域であった訳ではありますが、氏が哲学の引用を多くしていたのが気になりました。
2点目は、定義の大切さです。本書ではほとんど必ず文言の定義をして、そこから考える手法が採られています。結構グダグダ考えるなぁ、、と思わなくもないのですが、科学の厳密な議論をするのには、そうした一歩一歩の説明が大切なんだなぁ、と思いました。
人間の脳は分からないことだらけですね。とはいえ、脳科学の発展により、結構分かってきているのは確かなのですが、本書を読むと、まだまだ色々考察すべき事項は残っているんだな、と感じさせられます。
最後に、数点印象的だった語句を記載します。
○認識は私の一部である。
○コンピュータは理解しない。
○理解には、膨大な量の前提となる枠組みが必要。
○言葉の意味とは一体何か、を真剣に問いかけると、それが全く
わからない、不確かな基礎の上に成り立っていることがわかる。