【書評】「すべては導かれている–逆境を越え、人生を拓く五つの覚悟–」(田坂広志著、小学館)〜スピリチュアルの部分の科学的・経験的な分析が光る作品〜

田坂さんは先日、「なぜ、優秀な人ほど成長が止まるのか−何歳からでも人生を拓く7つの技法−」(田坂広志著)を読んだ時に、その分析力というか、特に数値で定量的に測れない部分に対する分析の素晴らしさに脱帽しました。

【参考…田坂さんの本の書評】

そんな田坂さんの過去の本を一冊購入してみました。

はじめに

一見、230頁程度ある分厚い本なのですが、中身をよく見ると、小学館から発行していることも関係しているのでしょうか、かなりの空白があります。そのため、結構読みやすい本で、読了までにはそこまで時間はかからない本でした。

そして、この本も、世間的にはスピリチュアルとして片付けられる部分をご自身で受け止め、解釈し、言葉に示そうとされています。

死生観が大きいな、と思いますが、そういう覚悟を持って生きていくことが大切なことに気づかされる本です。

いまを生きる

「人間、死ぬまで、命はある。」

「過去は、無い。未来も、ない。有るのは永遠に続くいま、だけだ いまを、生きよ! いまを、生き切れ!」

これは、田坂さんが若い頃に死の淵を彷徨ったときに、法師さんがおっしゃった言葉だそうです。

やっぱり、死を感じると、過去の後悔や未来の不安に身が悶えてしまうそうです。

しかし、この言葉を受けとってから、今を生きることを覚悟したことで、田坂さんはいまを生きる人間となったようです。

本書の主張とすると、いまを生き切るという覚悟を定め、すべては導かれているという覚悟を定めるようになっていったそうです。

死の淵を彷徨った人間の話の重みを感じますが、病気に対する気の持ちようの大切さも強く感じます。これは病気に限らずですが、起きたことに対して、どう受け止めるかが大切なんだな、と本当に感じます。

「病は気から。」

幼い頃は、「何言ってるんだ?」とか思っていたのですが、今は、正にその通りだと思います。心の持ちようはすべてにおいて大切ですね。

起きたことへの解釈こそ肝要

強く納得したのが、この記載でした。

「起こったことを、どう解釈するか。それが、我々の人生を分ける。」(71ページ)

成功者にはラッキーがいっぱいあり、一般人にはアンラッキーだけが来るなんてことはないと思います。

平等にチャンスは来ますが、そのチャンスをチャンスだと受け取る度量を身につけておく必要があります。

そういう観点から見ると、解釈力は思ったよりも大切だと思いました。

解釈はしますが、自分でコントロールできない部分もあるので、そこは天に任せるという理解をしています。

その意味でいえば、この言葉も深く響きました。

「人生には、成功は約束されてないが、成長は約束されている」

万人が成功する訳ではないことは、著者も認めています。しかし、いかなる逆境が与えられたとしても、それを糧として成長はできるという点は、万人に当てはまるということです。

成長を軸に物事を捉えることの大切さは、ある程度理解してきましたが、より強く意識するべきだな、と感じました。

引き受けの姿勢

「謙虚であれ。感謝をしろ。」

よく言いますが、実践するのはかなり難しいと思います。謙虚であれと言われても大したことないと思っている人にその姿勢を取るのは難しく、感謝も別にしなくても短期的には何とかなることから、ついつい伝えないで過ごしてしまうことがあります。

それへの対処方法が本書に書かれていました。

「たとえ、自分に直接の責任が無いことでも、すべてを、自分自身の責任として、引き受けること。」(102ページ)

これはかなり難しいです。要すれば確実に他者の責任であっても、自分のせいである部分がある、と静かに受け止めていくということなのですが、やれと言われると、自分の中のエゴの部分が否定してくると思います。

しかし、このようにして引き受けの心の訓練をしていくと、自然に心が強くなり、「静かな強さ」が身についていくそうです。そうして本当の自信を身につけると、

「人間は、本当の自信がなければ、謙虚になれない〜感謝ができない」(106ページ)

という記載があるように、謙虚になり、感謝できる人間になるようです。逆も正であり、このような記載もありました。

「物事に対して、そして、相手に対して、常に謙虚な姿勢、感謝の姿勢を持つという修行を続けると、我々の内面に、静かな自信と強さが芽生えます。」(107ページ)

謙虚、感謝ってみんなが言うほど簡単じゃないと思うんだけど。。

と心にひっそりと思っていた自分にとっては、その考えが間違っていなかったことを教えてくれた記載でした。

5つの覚悟(まとめ)

結局、田坂さんは、この本を通じて、この5つの覚悟を持つべきだ、と主張していました。

①自分の人生は、大いなる何かに導かれている

②人生て起こること、すべて、深い意味がある

③人生における問題、すべて、自分に原因がある

④大いなる何かが、自分を育てようとしている

⑤逆境を越える叡智は、すべて、与えられる

こう書くと怪しい主張に思えますが、中身を見ると、こうした考え方を信じることが必要だな、と思えてきます。

おわりに

田坂さんは、スピリチュアルな部分についても、自分の経験や聞いた話を通じて科学的に理解しようとされているなぁ、と強く感じた作品でした。

「若い時の苦労は買ってでもせよ」としばしば言われますが、逆境とか苦労とかはした方がいいなぁ、と強く思いました。

私も苦労はいくつか既にありますが、苦労をしてそれを乗り越える過程に成長があることを意識して生きていきたいな、と覚悟しました。

今回の本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲