【書評】「プランニング編集術」(松岡正剛監修、ISIS編集学校著)〜情報を上手く活用する方法をまとめている本〜

突然ですが、松岡正剛さんという方をご存知でしょうか。

編集者なのですが、革新的な編集をされた方で有名である方のようです。

私は、松岡氏のかつての功績にはあまり詳しくないのですが、私が知っているのは、「千夜千冊」という古今東西の書評を書き綴り、非常に豊富な読書量をお持ちである方という印象です。

というのも、私は、松岡さんの「多読術」をたまたま手に取って存在を知ったのですが、「読書を通じて考える」ことを正に実施しておられ、その姿に感銘を受けました。

そんな氏が監修した本がこの本になります。

はじめに

そんな松岡正剛さんの博識さを尊敬し、自分も博識で、色々な知識を取り出せるようになりたいな、と思った私は、氏が主催している「ISIS編集学校」というネット上の学校の門を叩き、「守」を卒門しました。

本書やサイトにも紹介がありますが、この学校は、師範代(先生)がお題を出し、学衆(生徒)が回答をし、それに対し、師範代が指南するサイクルを回していくことで学びを得ていきます。

進研ゼミなどで、いわゆる郵送による「添削」は私も実施してもらったことはありましたが、このようなネット上の学校でやりとりするのは初めてでした。

アウトプットが大切と言いますが、どう考えてもインプット偏重な日本の教育だと私は思っているのですが、このネット上の学校は、アウトプットが基本であるし、何より、通信添削とは異なり、アウトプットした際、書いた時の記憶があるうちに、フィードバックが返ってくるので、非常に、内省し、今後に活かしやすいと感じました。

指導頂きつつ、丁寧に、少しづつ、実践の中で学んでいくのですが、学び終えた後に、これをどう使っていけばいいのか、が分からない自分がいました。

そういう意味では、「守」で学んだそれぞれの事柄は全体のどこに位置していて、どう機能するのかが、まだ自分の中で腑に落ちきっていないのかな、と考え、この本を取って、全体をもっと理解したいな、と思うに至りました。

情報とは

「情報は一人ではいられない。」

これは松岡正剛さんがしばしばおっしゃる言葉です。正直最初は何を言っているのかよく分からなかったのですが、段々とその言葉の深みを知ることができました。

何より、私は論理をこれまで重視していたのですが、連想力といいますか、情報を色々なところに飛ばして、(無理やりのときもありつつも)繋げながら考えていく重要性を知るにつれ、単なる文字情報がイキイキしていくのを実感し、上記の言葉が腑に落ちてきました。

さて、本書の序盤には、情報のうち、単語レベルから考えていきます。

私の好きな考え方は、情報を、「要素」「機能」「属性」で分ける考え方です。

・要素→対象を構成する部分  例)砂場、ベンチ、ブランコ・・・

・機能→対象が提供する価値や効能 例)自然を楽しむ、ボート漕ぎをする・・・

・属性→対象の性能・性質・特徴 例)緊急時の避難場所、利用規定が存在する・・・

例えば、「公園」を3要素から分析すると、上記の例のようになり、1つの「公園」という情報だけだったのが、かなり多様性を帯びた概念であることが分かってきます。

また、「らしさ」で物事を見立てて繋げたり、「ないもの」から考えていくこととか、多面的に情報を捉えることを学びました。

なお、「ない」から考えるを論理的に考察しているは、この本に詳しく書かれています。

アナロジー思考

次に、「情報をつなげる」という観点から見ると、アナロジーの大切さをよく知りました。

正直これまで私はアナロジーよりも論理的繋がりを重視していたのですが、発想とかそうした面におけるアナロジーの威力の大きさを教えてもらいました。

特に、if-then思考は印象に強く残っています。これは、「風が吹けば桶屋が儲かる」のような、論理関係で繋いでいくと、妙な結論が出るというものですが、その奇妙さを楽しむことも大切だと学びました。

ついつい、現実的になり、論理的厳密性を求めてしまうのですが、そこから外れて、「ネット化が進むと晴れの日が多くなる」などと、if-thenを駆使することで、想像力を広がる訓練となることは、勉強になりました。

何より、自分の思考を幅というか限界を自分で勝手に決めている自分に気づくことができました。自由な発想ができるようになりたいものです。

思考パターン

情報を繋げる中で、繋げ方は5つある旨、述べられています。

①一種合成型

②三間連結型 A→B→C

③二点分岐型

④三位一体型

⑤二軸四方型

私の中で驚いたのは、これら5つを「編集的思考はこれら5つの組み合わせでできている」と断じていることです。

確かに他の類型は?と聞かれると思いつかないのですが、これを組み合わせるというシンプルな考え方で人間の思考の元が出来ているのか、とハッとさせられました。

二軸四方型(いわゆるグラフ型)とかは使用するのが大切と言われるものの、なかなか利用するのは難しいとは思いますが、この5つが原則ということを頭に入れてそこから考えるようにするだけでも、かなり分かりやすいなあ、と思います。

おわりに

情報で遊ぶ中で学んでいくこと。情報で遊ぶ、詳しく言えば、情報の関連性を楽しむことをもっとすれば、人生がより充実し、何事も楽しく考えながら、よりクリエイティブになれるなあ、と改めて思いました。

なお、今回紹介できませんでしたが、ステレオタイプ(典型例を述べること)、プロトタイプ(定義・類型)、アーキタイプ(そのものの原型は何かを考えること 例)SNSの原型は、井戸端会議といえるのではないか?)というところから思考をスタートさせるというアプローチもかなり好きで、発見に満ち溢れた興味深いものです。

この本を読んだことで、「守」の中で学んだそれぞれの事柄がよりまとまってきた気がします。

「守」だけでなく、「破」とか「離」などといったその先もあるのですが、今はストップしておりましたが、今後挑戦していきたいな、と思います。

ただ、英語の勉強も来年から本格始動するための準備活動をそろそろスタートさせたいので、バランスを見てやっていく必要がありそうです。

今回の本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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