この本は、日テレ系で、2012年10月〜2017年3月まで放送されていた「解決!ナイナイアンサー」で相談者を号泣させたりして、相談者に対して回答する相談員の中で群を抜いて実力があることを示し、有名になられた心屋仁之助さんの本になります。
心屋さんの主張はTVを通してかつて見聞きしていて、相談員の中で群を抜いていて、しっかり芯を食った発言をされているな〜と思っていた程度だったのですが、今回、初めて著書を拝見しました。
詳細はこれから書いていきますが、端的にいえば、「本を読んで考える」ことの大切さを教えてくれた本です。
はじめに
この本を読む背景になったのは、「立花B塾レベル1」にて課題図書として指定された本である点にあります。
【参考】立花B塾レベル1第2講はこちら
人間は感情の生き物であるので、最近になってようやく感情面の大切さに気づいた私にとっては、これまで理論で考える派であったこともあり、なかなか全てを飲み込めなかったというのが正直なところです。
「運」とかスピリチュアル的なことになると、どうしても信じきれないなあ、となってしまうのが正直なところでございました。
とはいえ、それは他人を信じきれていないということもしっかり指摘されていて、私はまだ信じることができていないんだな、と気づかされました。
優しい口調ながらしれっと厳しいことを指摘されているのは、正にTVで聞いていた時のままでした。
出来ていることと、出来ていないこと両方あり、道しるべを見せていただいたような気がします。
自分の価値を認めること
この本で一貫したメッセージが、「自分の価値を認める」ということです。正確には、「自分に価値があることにする」をスタートに考え、そこから自分の価値を認めようという話です。
だからこそ、「頑張る」ことを明確に否定します。頑張ることは無理をしていることなので、我慢して無理することではないということです。そこから他人に任せるとかそうした主張にも繋がりますが、とにかく、頑張って体や心を壊すのではなく、自分の欲求に素直に生きることの大切さを述べています。
そうすることで、最終的には、世界が思ったより甘く優しいものであることに気づき、幸せになっていくと解いています。
・・・はい、理想論については理解しました。ただ、なんといえばいいのでしょうか、ちょっと胡散臭く感じてしまう自分がいます。
まあそうなのでしょうが、実際はこんなに理想の通りにはいかないよ、とかそういった感じでしょうか。
そう思って読んでいたところ、下記の言葉を見て、これらの言葉に納得しました。「頑張る」ことを否定しているだけで、練習は当然必要だ、という話もあったからです。
ちょっと長めになり恐縮ですが、引用します。
「下積みか下積みでないかは、下積みがその人にとってどんな意味を持つかによって違ってきます。それを下積みと思って楽しめない人は、その先にあることも、それほど好きなことではないのかもしれませんね。
その道のプロになる人は、好きなことを夢中になってやっています。
無我夢中で、損得も考えずに、人がどう言おうとお構いなく、将来のことも考えずに、気がついたら、圧倒的な数の練習を重ねている。
「圧倒的な数の練習」を下積みといいます。」(71ページ)
だからこそ、「好きなこと」を見つけることが大切だ、という話に繋がる訳ですね。本当にこの言葉がないとただの理想論だと私は思います。話が飲み込めてよかったです。
「いい人」振るのを止めろ
好きなことを優先する大切さを理解したのですが、そのためには何が必要かというと、「いい人振るのを止めること」が必要とのことでした。
好きなことを優先すると、嫌われるリスクはあるが、それを気にするな、ということです。そのハードルを超えるのに必要なことが、いい人振るのを止めること、とのことでした。
皮肉めいた言葉でもあるのですが、とても好きな言葉を発見しました。
「「あなたの心の中の世の中」が勝手にザワザワしているだけ」(155ページ)
・・・そう考えると気楽だな、と思えます。
とはいえ、正直私はあまりいい人振ることができない性質なので、そこは別に気にしないのですが、周りを見ると、確かに、そういう人がいるな、とは思いました。
私はその親切をただ享受していましたが、見返りが必要なのか・・・?とか思っていました。
しかし、見返りは考えなくても良いようです。こんな言葉がありました。
「何かしてくれる人がいるなら、ありがたく受け取って、お返しは気にしないでおこうと決めました。・・・多分、僕を助けようと手を差し伸べてくれる人は、僕から見返りを求めているわけではない・・・喜んで、僕を支えようとしている。・・・僕が喜ぶことが最高のお返し。」(144〜145ページ)
私が受けた教えの中で、「上から受けた恩は上に返さなくて良い。代わりに下に返せ。」という教えがありました。私はその言葉があまり好きではなく、しっかり恩は返すべきだろう、と思っていたのですが、必ずしもそういうことではないようです。
世の中トータルで、giveとtakeが回っているのかな、と解釈しました。私は、恩を返すのが嫌なので、恩を受けたくないと思っていた節が正直ありましたので、少し気が楽になった気がしました。
好きなことがないという人のために
これは、第5章のタイトルなのですが、このタイトル自体に惹かれました。
正に私自身が「好きなことがない人」だったからです。
ちょっと列挙してみても、名言のオンパレードです。
・本当に好きなものには理由がない。
・小さいことで全く構わない。ゴロゴロするだって、立派な好きなこと。
・小さなやりたいことからやってみよう
・未来の心配のために、今を犠牲にするな
私は、「本当に好きなものには理由がない」に強く惹かれました。やっぱり人間は感情の生き物なんだなあ、と強く思います。
とはいえ、私も少しづつ「好きなこと」を見出すことができるようになってきました。実際に、本を読むことや、ジムに行ってベンチプレスをすることや、快適(人が多くない、ほどほどにお洒落)なカフェにいることや、自分なりに美味しいご飯を見つけることが好きなことなのですが、これも最近になって表に出せるようになりました。
この「好きなこと」と「なりたいこと」と繋げていくことが大切だ、ということですね。ここで立花さんの話と繋がってきました。
おわりに
文字も大きいので、本自体は割とすっと読めるのですが、こうやって書評記事を書くために考えていると、色々思うことが出てくるような、不思議な感覚のする本でした。
口語体の本で、ここまでの深さのある本に出会ったのは初めてかもしれません。
・・・とはいえ、この書いてあることを超えていくには、自分の中の心のハードル、特に、潜在意識に眠っているハードルを乗り越えることがどこかで必要になってくるな、とふと感じました。
書評書いて見ないと「薄い本」だと思ってしまう方もおられるとは正直思う(現に私も読後の直後の感覚はイマイチな感じでした。)のですが、自分に当てはめて考えることをして見ると、本当に考えさせられる本ですね。
ちなみに、本をオシャレに読もうと思ってワインと一緒に読んでみることに挑戦して見ました。
しかし、20ページ弱でダウンしてしまいました。お酒が強い人にはお洒落な時間の使い方の感じになるのかもしれませんが、私には出来ないことがわかりました。
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