【セミナー録】地方を活性化するためにはどうすればよいか考えてみる〜『地方創生を超えて−これからの地域政策−』刊行記念 村上裕一×中川敬文トークイベント〜

「地方創生政策とはどうだったのか。」

「地方はこれからどうしていくとよいのか。」

・・・といった事柄について北海道大学の村上准教授と実際の地方の現場でいくつか地方を盛り上げるための取り組み(定住人口拡大に向けた取り組み等)をしている中川氏とのトークセッションがありました。

詳細はこちら。

はじめに

村上准教授は、行政学の博士で、現在フランスにいるそうです。

そんな中帰国されて、今回のトークセッションをされたとのことでした。

全般的に、話は分からなくもないのですが、理論側に話がより過ぎではないか、と正直思いました。正確には、こうした抽象論の打ち出しは良い面もあるのですが、そうした上流の思想を下流である現場に落とし込む方法が思い浮かばなくないか、と思うような形でした。

まあ、こうした現場に落とし込む話は、学者の先生が考えることではない、といえばそれまでではありますが。

中川さんも本当に現場にいらっしゃる方であったので、2者の中間に当たる方がもう1名いた上でトークセッションした方がいいのでは、と思いました。

地方創生の評価

正直、「地方創生」については名前しか聞いたことがなかったのですが、地方創生については、このように評価したいとのことでした。

純粋に知らなかったので勉強になりました。

安倍政権は成長戦略を打ち出し、この後、2012年に地方創生を打ち出しました。

しかし、全国に波及させようとしたが、政府として全体のビジョンがなかったそうです。そのため、取組については、地方自治体に考えさせるようにしたとのことでした。

この評価は一概には難しく、評価しにくい指標です。特に、地方任せにしてしまったので、定量的評価は出来ていない、とのことでした。

ただし、評価できる点としては、こうした地方創生に向けた取組をさせることで、特にしっかり取り組んだ自治体に気づきを与えた点はよかったとのことでした。

地方創生は、どこまで見ているのかは分かりませんが、外国人人材の活用、若者の定住の取組あたりが主眼でしょうか。その背景には高齢化、東京一極集中も大きいです。

地方活性化の取組は難しいですね。介入しすぎても放任しすぎてもどちらもいけないです。言葉でいえば「柔軟な対応」ということではありますが。

フランスからの学び

村上准教授は現在フランスに留学されているということで、フランスと日本の比較について語られていました。

他国から学べることは、実用主義的・機能的に、プラグマテックに考えることとのことでした。

細部や形式というよりも、要するに何が必要かという考えを日本も取ってもいいのではないか、とおっしゃっていました。

例えば、駅の改札は、フランスの駅では抜き打ちチェックをたまにし、そこで違反があれば罰金を取るが、普段は改札に人はいないそうです。

他方、日本では大量の駅員さんを雇って厳重に管理しています。

ここは、日本の国民性もあるとは思いますが、こうしたプラグマティックな考え方を取るべき分野がどこかで生じてくると思います。ビジネスから社会制度に波及してくるイメージでしょうか。

専門家の立ち位置

専門家の話はかなり納得できました。このようなコメントがありました。

「表に出る人は現場の者であるべき。影で専門家が支える体制を。」

これは支援する際の鉄則です。外様はアドバイスはするが、フロントには立たない。

ただ、実際は難しいところもあり、専門家自身がそのことをしっかり認識していないといけません。

そうしないと、専門家がいなくなったときに、せっかく新しく進め、定着しようとしていたのに、無かったことになってしまいます。

積極戦略から消極戦略へ

こういう話もありました。

「施設などを作っても、維持が大変である。長い目で見た政策立案が大切で、消極戦略を取ることも一手として考えるべき。」

これも、トップの方々の英断が必要です。もちろんそうなった方がいいのですが、思われているより高いハードルであることも知っておいた方がいいんじゃないかな、と率直に思いました。

おわりに

行政学ってこんなことを学ぶ学問なんだな、、と思いました。大学で講義を聞いているようで、私にとってはやや微妙に感じました。

とはいえ、色々考えさせられるきっかけになった会でありました。ありがとうございました。

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲