【読書録】「ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所」(山本昌作著)〜これからの日本の中小企業の生き残り戦略の代表例として〜

こんにちは!相羽涼太(@ryotaaiba)です。

今回は読書記事になります。
「ディズニー、NASAが認めた遊ぶ鉄工所」という本で、HILLTOP株式会社の副社長の山本昌作さんの本になります。

【参考】HILLTOP株式会社サイトはこちら

はじめに

この本は、友人からの本の紹介で知りました。
HILLTOPという会社は、存在すら知らないところからスタートです。

本書を見ると、日本的なチームワークの良さは残しつつも、海外の考えや先進的な考えを取り込みつつ、独自の発展を遂げていることが分かります。

とはいえ、一つひとつは別に「意外すぎる!びっくり!」ということはありません。着実に歩を歩めるうちに、他と比べると異質な企業形態のように思えるようになったということが赤裸々に語られています。

著者が火事に遭い、40日くらいずっと死の淵を彷徨っていた話は壮絶であり、かつ、この出来事が著者の考え方をがらっと変えた効果があったことなども、詳らかに書いてあります。

楽しくなければ仕事じゃない

仕事は楽しむことは当たり前なのですが、楽しむのはなかなか難しいです。上から言われたことを淡々とやっているだけとなってしまっている人も多いと思います。

しかし、著者は工場での単調作業に嫌気を強く刺していたことがあったので、楽しさを求める気持ちが人一倍あったのだと思います。

楽しくなければ仕事じゃない、とまでおっしゃっていますが、そこまでの力強い想いがないと、なかなか変わっていかないことも同時に学びました。

例えばこんな下りがあります。

「仕事の楽しさは、知的作業の中にあります。「図面を見て、どの機械を使うのか、材料は何を使うか、敷板は何ミリか、どの向きに取りつけるのか、刃物は何を使うのか」を考えるプロセスこそ人間らしく、人間がやるべき仕事です。」(41ページ)

では、知的作業とはどういうことでしょうか。

「機械にできることはどんどん機械に任せ、人はより創造的な分野での知的作業を楽しむ。」(42ページ)

つまり、人しかできないことをやろう、とのことでした。これを徹底させるのは本当に難しいと思います。

また、こういう言葉もありました。

「「楽しそうだな、面白そうだな」と思ったら、とりあえず全力でやってみる。やってみて、本当に楽しかったら続ける。それほど楽しくなかったら、いさぎよくやめる。これが仕事を受ける基本です。」(43ページ)

別のページに、失敗は全く責めず、受け入れることを書いていますが、失敗よりも社員がチャレンジすることを重視する会社です。

そうしたチャレンジ精神を養うための文化醸成が大切なのかな、と学びました。

全ては定量化できる

続いて、定量化についての話です。いわゆる職人さんは、なんとなくで仕事をしており、その姿勢をダメだと断じています。

「職人それぞれに手法が異なる暗黙知(職人のカンや感覚)を分析し、データベースに落とし込む作業を淡々と繰り返した」(20ページ)

その後は、誰でもできる仕事にすることと、そうやってすぐにバトンを渡すこと。バトンを渡した人は次の新しいことにチャレンジすることをさせているそうです。

人間には飽きが出てきてしまうと、つまらなくなり、面白くなくなってしまいます。

そのために、異動を実施して、新しいことに取り組ませるそうです。

非常に納得しました。「誰でもできるようにする」は大切で、効率はかなり上がるのですが、そうなると、これまで自分だけの技術だったのが失われた社員はどうすればいいのか、というのが強く疑問に残っていました。

その回答は、全く違う仕事をさせるということでした。非常に理解できる内容だったので腑に落ちました。

ただし、定量化という作業はそんなに簡単ではありません。

「要するに、その職人さんには、理屈や理論がありませんでした。経験的、感覚的に仕事をしていたのです。でも、経験や感覚に頼った仕事は、再現性が低く、非効率です。そこでヒルトップでは、あいまいさを排除して、「なぜ、そうするのか」「どうして、その数値なのか」を体型的、具体的、論理的に教えるようにしています。」(181ページ)

ここでも、結局、なぜ?どうして?を突き詰めて考えることが重要とのことでした。この2つを考える重要さは勉強含め他の文脈で言っていました。何でも普遍の真理に行き着きますね。

知的体育会系人材

ヒルトップでは、人材採用・育成に力を入れているとの紹介もありました。

人材が大事だ、とはよく言いますが、でも企業論理としてはついつい売上とかを見てしまうと思います。

しかし、この企業は人材育成に本当に力を入れられている様子が伝わりました。

「動きながら考える・・・いわば、頭も体も同時に使う「知的体育会系」になれ・・・当社の場合は、「コミュニケーションが取れて、知的好奇心旺盛な人」のことを「知的体育会系」と呼んでいます。」(199ページ)

知的体育会系を重視しているようです。考えながら走る人材が今求められているんだなぁ、と勉強になりました。

自分たちよりも優秀な人材

これもやるのが難しいものです。

一般的にはこのような傾向があるようです。

「中小企業の経営者の多くは、自分(既存社員や経営幹部)よりも優秀な人材を採用しません。とくにワンマン経営者は、自分より能力の劣る人間や、従順な人間を置きたがります。」(202ページ)

しかし、それではいけないと断じ、このような考えで採用しているようです。

「採用担当者に、「どうだね、君が手に負えないと思う者だけ、採用してみては」と言った・・・採用の本質を突いていると思います。なぜなら、「自分の手に負えない人」(自分より能力が高い人)は、自分にできない部分を補ってくれる人材だからです。」(203ページ)

本当に、思いの強い企業であることが分かります。

おわりに

この本に書かれていることは、「それができると効率的だよね」と頭では分かることばかりです。でも、それを行動に移すことは、とても大変なことです。

こうした動きを進めることで、世界に伍した企業として、日本の中小企業が今後も生き残っていけるのかな、と希望を感じ、その見本を見せてくれたような一冊でした。

本はこちら

この記事を書いた人

相羽涼太

相羽涼太

読書、手帳術、旅行記・訪問記・食レポ、ジム(運動、食事)、英語学習などを中心に記事を更新します。

インターネットの登場で、「考える」ことが減りがちな今こそ、自分なりの軸を持って、考え、発信していくことを大切にしたいと考えています。

SF(上位10位、2019年1月現在):慎重さ、収集心、個別化、責任感、自我、指令性、目的志向、自己確信、信念、学習欲

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